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【レビュー】但馬屋珈琲店から国産無農薬コーヒー「にっぽんプレミアム」が登場|奥ゆかしく優雅な香りと甘味に、浸る。

記事内にプロモーションを含む場合があります。
但馬屋珈琲店

東京・新宿の老舗純喫茶「但馬屋珈琲店」から、新メニューとして国産・無農薬コーヒーの「にっぽんプレミアム」が登場しました。

岡山県にあるコーヒー農園で育った生豆を店舗で自家焙煎し、提供する。まさに前代未聞の国内産のコーヒーですが、その背景には「凍結解凍覚醒法」という革新的な農業技術があります。

ネルドリップでじっくり丁寧に淹れられた国産コーヒーは、豊かで上質な香りとまろやかな甘味が存分に引き立つ、他にはないほどの味わいを感じられました。

そんな「にっぽんプレミアム」について、また但馬屋珈琲店の取り組みについてレビューしました。

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但馬屋珈琲店

但馬屋珈琲店

新宿駅西口「思い出横丁」の一角に店を構える、但馬屋珈琲店 本店。

木製のドアと瓦屋根に、塗り壁調の外壁と、年季の入った一軒家風の店構えがとても特徴的です。

東京オリンピックが開催された1964年に創業して以来、約60年間にわたり素敵な空間とこだわりのコーヒーを提供し続けている老舗の純喫茶です。現在では新宿に3店舗、吉祥寺に1店舗を展開。

まずは、そんな但馬屋珈琲店の魅力・こだわりについてご紹介します。

都会のまん中にある、ノスタルジックな空間

但馬屋珈琲店

ドアを開け店内に入ると、ほの暗くも暖かい色の吊照明や、使い込まれた飴色の木造が目を引きます。ジャズのBGMとレトロな雰囲気の落ち着いた内観は、新宿にいるとは思えないほど。

まるでここだけ時間が切り取られたかのような空気感に、一気に惹き込まれます。

店内は2階建てで、1階には大きなL字カウンター席とテーブル席、2階には大きなカウンター席があります。

店員さんに丁寧に迎えられ、今回は2階に案内していただきました。

但馬屋珈琲店

2階のカウンター席に座ると、まず目に留まるのはずらりと並んだコーヒーカップとソーサーの数々。

世界各国から集められたこれらは、ただのインテリアではなく、現役でお客さんに提供されているもの。

マスターの目利きで、お客さんのイメージや雰囲気に合ったものを都度選び、コーヒーをお出ししているそう。

1つとして同じものがないカップの中から選んでいただけるため、1杯のコーヒーでもより一層の特別感を感じます。私ってこんなイメージなんだ、なんてことも楽しみつつ。

但馬屋珈琲店

店内を見渡すと、大正ロマンを感じさせる調度品や小物が店のあちらこちらに並んでおり、心落ち着く大人のひとときを醸しています。

筆者は大正時代を生きた世代ではないけれど、ゆったりと落ち着いた空気感はどこか懐かしい気分さえ憶え、居心地のよさを感じます。

自家焙煎、コーヒーの数々

但馬屋珈琲店

世界各地の厳選された最高品質のコーヒー豆を、常時16種類以上も取りそろえています。なかにはブルーマウンテンNo.1やコピ・ルアックなど、なかなか目にすることのできない希少な豆も。

すべて自家焙煎で、それぞれにの豆に合った焙煎度合いで仕上げているとのこと。

なかでも但馬屋珈琲店の顔ともいえるオリジナルブレンドは、ブラジルコロンビアを中心に30年以上変わらない深煎りの味わいが特徴的です。

ひとくち飲むと口の中に広がる深いコクと苦味、そしてスモーキーな香ばしさの絶妙なバランスは、但馬屋珈琲店でしか味わえない至福のひとときです。

ネルドリップで淹れる深い味わい

但馬屋珈琲店

提供されるコーヒーは、注文を受けてから豆を挽き、ネルドリップで1杯ずつ丁寧に抽出しています。

使用しているネルはコーヒーの味わいを最大限引き出せるよう、すべて自家製なのだそう。

またコーヒーを挽くミルもあえて刃を弱くしていたり、ドリップケトルにいたっては先端を潰して細く注げるよう、微調整されていたり。

神は細部に宿る。但馬屋珈琲店ならではのコーヒーの深みは、道具1つ1つにかけるこだわりに宿っています。

但馬屋珈琲店

アイスコーヒー用の抽出も、ネルドリップで。スイカほどある大きなネル、はじめて見ました。

 

国産無農薬コーヒー「にっぽんプレミアム」

但馬屋珈琲店

さて、本題の国産・無農薬コーヒー「にっぽんプレミアム」について。

5/12から数量限定で販売されるこちらのコーヒーは、岡山県のコーヒー農園で栽培された豆を使っています。

コーヒーといえば、いわゆる“コーヒーベルト”と呼ばれる、赤道付近の地域帯で栽培されているのが一般的です。コーヒーの木は寒さに弱く、最低気温が一定以上でないとそもそも生育ができないためです。

当然、厳しい冬が毎年訪れる日本では、コーヒー栽培は難しいもの。比較的暖かい地域である奄美大島や小笠原諸島でコーヒー栽培の取り組みはされているものの、まだまだチャレンジングな要素が多いといいます。

そんな常識をくつがえして、岡山県でコーヒー栽培が可能となった背景には、「凍結解凍覚醒法」と呼ばれる特殊な栽培手法が関係しています。

「にっぽんプレミアム」も、この栽培手法によってつくられた無農薬コーヒー豆を使用しています。

『この手法を用いて岡山県で無農薬コーヒーを生産していることを知り、大変感銘を受けました。岡山県まで日帰りでおうかがいし、その場でコーヒー生豆を購入させていただきました』と、常務取締役の倉田光敏さんはにこやかに話します。

[open title=”「凍結解凍覚醒法」とは”]「凍結解凍覚醒法」とは、植物の種子や成長細胞をマイナス60℃までゆっくりと冷却し、氷河期の凍結・解凍現象を人工的に再現することで、植物が本来持つ速い成長速度と環境順応性(耐寒性・耐暑性)を引き出す農業技術とのこと。

この技術によって、バナナやコーヒーなど熱帯地域でしか育たない農作物が、日本を含む温帯地域でも栽培可能になっています。
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ネルドリップで抽出する

但馬屋珈琲店

さっそくドリップしていただきます。

まず用意されたのは、「にっぽんプレミアム」専用のコーヒーカップ。

コーヒーを淹れてくださるのは、但馬屋珈琲店の出店以来30年余りの間この店を守り続けている、店長の大久保さん。

但馬屋珈琲店

カップやサーバーを温め、豆を挽き、コーヒーを淹れていく。

洗練された1つ1つの所作・ふるまいは、これまで幾度とコーヒーを淹れてきた職人の技そのもの。ずっと見ていたいと思うほど美しい。

但馬屋珈琲店

できあがった琥珀色のコーヒーが、カップに注がれます。

『但馬屋珈琲店は深煎りのイメージがあるかもしれませんが、それぞれの個性を最大限に楽しんでいただけるよう、豆によって細かく焙煎度を調整しています。にっぽんプレミアムは、浅煎りが本当においしい。

国産で物珍しいから、ではなく、本当においしいと思っていただけるものを飲んでほしいんです。』と、倉田さん。

こちらが、岡山県で無農薬栽培されたコーヒー豆を使用した「にっぽんプレミアム」。

まずひとくち飲んでみると、浅煎りらしいキリッとしたイメージとは異なり、口当たり優しいまろやかな酸味が控えめに感じられます。紅茶のような雰囲気も感じられ、苦味主体のコーヒーとは一線を画す味わい。

はっきりと感じられるほど甘味が強く、スッキリとした飲み口の中に、蜜がつまった焼き芋を食べているかのようなしっとりとした甘さと質感があります。

鼻から抜ける香りはとても香ばしく、至高というにふさわしいほど。この余韻を楽しみたいがために、次から次へとカップを口に運んでしまう。

『凍結解凍覚醒法は、栽培環境を拡げられるだけでなく、栽培された農作物の甘味や旨味を強く引き出せるようになるのもメリットのひとつです。これを飲んでいただければ、コーヒー豆の持つ本来の甘さを感じていただけるはず。』と倉田さんは話します。

控えめな味わいの中に、複雑で絶妙なバランスがありました。奥ゆかしさを感じるにっぽんプレミアム、まさに逸品です。

 

ゆくゆくは「東京・新宿産コーヒー」を目指して

但馬屋珈琲店

左:常務取締役の倉田 光敏さん / 右:但馬屋珈琲店本店店長の大久保 清作さん

『まだまだ夢物語ではあるが、ゆくゆくは新宿でコーヒーを栽培し、新宿で焙煎したコーヒーを提供できたらと思います。一気通貫・地産地消のおいしいコーヒーで、コロナ禍で落ち込んでしまった思い出横丁、そして新宿の地を盛り上げていきたいと考えています。』

ただ新宿という土地柄、栽培場所などクリアすべき条件がまだまだ多く残っているそう。けれどもそれらを解消できれば、新宿でのコーヒー栽培は夢じゃなくなる、と倉田さんは話します。

『気分が落ち込みがちなご時世ですが、来たお客さまがほっと一息つけたり、気分転換ができたり、新しいアイディアがうまれたり、そんな空間をこれからも提供できたら。このにっぽんプレミアムをきっかけに、古くからの日本の純喫茶の素晴らしさを感じてもらえたら嬉しいです。

そして、ゆくゆくは “メイドインジャパン” をさらに盛り上げていけるよう、大きな夢に向けて1歩ずつチャレンジしていきたいです。』

 

取材後記

但馬屋珈琲店

新宿の但馬屋珈琲店本店におうかがいし、国産・無農薬コーヒーの「にっぽんプレミアム」をいただきました。

レトロな店内は、今どきのカフェチェーンではなかなか味わえないような、純喫茶ならではの穏やかで暖かみのある空気感で満ちていました。コーヒーとともに時間を忘れてゆっくりと過ごせる、そんな居心地のよさがあります。

そしてにっぽんプレミアムは、控えめながらも複雑で奥ゆかしい味わいがなんとも特徴的でした。ネルドリップでより一層引き立つ濃厚な口当たりは、ここでしか味わえない唯一のコーヒーです。

言葉では表しきれないような体験が、但馬屋珈琲店にはありました。この場の空気感と一緒に、にっぽんプレミアムをぜひ味わってほしいと思います。

[aside type=”boader”] 但馬屋珈琲店「にっぽんプレミアム」

販売店:但馬屋珈琲店本店、但馬屋珈琲店小田急店
販売方法:店内でのご提供 ※数量限定
価格:1,800円(税込 / 1杯)

ホームページ:https://tajimaya-coffeeten.com/
Twitter:@tajimaya_coffee[/aside]

 

 

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