「GOOD COFFEE FARMS」は、中央アメリカにあるグアテマラのコーヒー生産者団体です。
グアテマラは中米を代表するコーヒー生産大国で、コーヒー生産量は世界トップ10にランクインするほど。そんな現地において、コーヒーの生産から輸出入、日本国内での販売までを一貫して行っています。
今回は、そんなGOOD COFFEE FARMSのステキな取り組みと、クラウドファンディングサイト「CAMPFIRE」で支援を募っているプロジェクトについてご紹介します。
高品質なコーヒー生産のみならず、現地の環境・貧困の課題についても真摯に向き合う彼らの取り組みは、私たちコーヒー消費者として知って損はない内容です。
GOOD COFFEE FARMS
コーヒーで世界を変えよう
GOOD COFFEE FARMSが掲げるスローガンは「Coffee Changing The World -コーヒーで世界を変えよう-」。
近年になってシングルオリジンやフェアトレードの考え方が高まってきてはいますが、それでも現実は、流通や生産者が抱える課題はまだまだ山積みなのだそう。
高いコストを賄いきれず、コーヒー生産をやめてしまう生産者もいるのだとか。普段何気なくコーヒーを消費している私たちにとって、心に刺さる話です。
そんな多くの課題を解決し、コーヒーに関わる全ての人が幸せになれる「GOODなコーヒーづくり」をしたいという思いのもとで活動されています。
水・燃料・電力が一切いらない「自転車型」脱穀機
GOOD COFFEE FARMSの取り組みの中でまさに「革新的」といえるのが、独自開発の自転車式の脱穀機でコーヒー豆を精製するという、全く新しい方法を取っていること。
コーヒーの精製プロセスにおいて、コーヒーチェリーを加工して皮と果肉を取り除く脱穀(パルピング)という工程があります。
「大型の機械・大量の水」が使われることが一般的ですが、機械を稼働する燃料・電力が必要であったり、大量の排水が出てしまったりなど、環境へのデメリットが少なからずあります。
その点、人間が自転車を漕ぐ力で脱穀するから、電気や燃料は必要なし。CO2の排出量や水の使用量も極力おさえられるので大きなメリットがあります。
GOODなコーヒーとはおいしいだけじゃなく、「生産者・消費者・自然のすべてがサステナブル(持続可能)である」ということ。
この自転車方式こそが、まさに「三方良し」を掲げて活動するGOOD COFFEE FARMSのシンボルとなっています。
クラウドファンディングプロジェクトの概要
コロナで打撃を受けた現地に、サプライズを
今回GOOD COFFEE FARMSは、クラウドファンディングサイト・CAMPFIREにて「10,000坪の農地を借り、現地の生産者の生活を後押しする」ことを目的に資金を募っています。
グアテマラはコロナの大打撃をモロに受け、ロックダウンによる移動規制や、輸入コストの上昇で生活品の価格も上がり、生産者の生活はますます厳しくなってしまったそう。
そんな中にもかかわらず、現地のメンバーは日本の消費者へGOODなコーヒーを届けるために、たゆまずにコーヒー豆を仕上げてくださっているとのこと。本当に頭が下がります。
そんな現地のメンバーの努力に対して、今度は我々日本人の方から、恩返しの思いを込めてサプライズを届けよう、というのがプロジェクトの本旨です。
生産者メンバーが安定して生活できる環境づくり
募った資金は、グアテマラで主食として食べられているトウモロコシの栽培環境を整えるために使われます。
土地の他にも、肥料や種の用意などにも活用されます。すぐにでも食糧を生産可能な状態にし、生産者メンバー全員の生活を支えられるだけの環境を提供するために充てられます。
トウモロコシを育てる環境はあるけれど、資金不足により土地を整備したり借りたりできないのが現地の実情。
そこで私たちが力をあわせて、持続的に活用していける土地という資産をお届けするというわけです。
プロジェクト支援のリターン
支援してくださった方に対して、金額に応じたさまざまなリターンが用意されています。
注目は、3,000円以上の支援でもらえる、精製方法の違うコーヒー豆3種類「ドライ ウォッシュド(自転車式)・ハニー・ナチュラル」のセット。
GOOD COFFEE FARMSがコーヒー定期便としても提供しているものですが、同じグアテマラのコーヒー豆を、違ったプロセスごとに飲み比べできる貴重な体験ができるので、おすすめです。
この3種類にプラスして、本プロジェクト限定の特別ロット(少量生産で希少な豆)もつけてくれるプランもあります。
その他にもカスカラティーという、コーヒーチェリーの果実や皮の部分でつくったお茶のティーバッグや、コーヒーノキを再利用をしたコースターなど、金額に応じていろいろなリターンを受け取ることができます。
リターンのお届け予定は、2021年の11月ごろです。
GOOD COFFEE FARMSのコーヒー定期便をレビュー
今回、GOOD COFFEE FARMSのコーヒー定期便のサンプルをご提供いただきました。
3つの異なる精製方法のコーヒー豆が楽しめるパック、レビューさせていただきます。
開封
パッケージを開けると、こんな感じ。3つのコーヒー豆とパンフレットが入っています。
今回はご厚意で、カスカラティーのサンプルもつけていただきました。
3種類のコーヒー豆はそれぞれ精製プロセスが異なっており、各パッケージの前面に該当のプロセス名が記載されています。
それぞれの特徴は、以下のような感じです。
ドライ ウォッシュド – DRY WASHED – |
独自で開発した水・電気・燃料完全不使用の自転車脱穀機で精製を行う。 綺麗でバランスのとれた味わいが特徴。 |
ハニープロセス – HONEY PROCESS – |
皮をむき発酵させ、甘味のもととなる表面のヌメり成分を残したままゆっくりと乾燥させる。 甘くて明るい味わいが特徴。 |
ナチュラル – NATURAL – |
コーヒーチェリーを水洗いした後、果実のままで他の方法よりも長い時間をかけて乾燥させる。 果実感たっぷりで複雑な味わいが特徴。 |
このうちドライウォッシュドが、自転車方式でつくられたコーヒー豆です。
各パッケージにはジッパーがついているので、密閉しながら保存ができるのもうれしいポイント。
封を開けてみると、ふっくらとした豆が。まだ豆の状態ですが、とてもおいしそうですね。
さっそく、ペーパードリップでコーヒーを淹れてみます。
ドリップしてみる
同梱のパンフレットの裏に書いてある淹れ方を参考に。
まずは1人分のコーヒー豆15gを量り取り、中挽き程度に挽いていきます。
ペーパーフィルターを広げたドリッパーに、コーヒー豆をセット。
お湯を注いでいきます。
はじめは粉全体にお湯をかけて、蒸らしの段階。グアテマラの華やかな香りがいっぱいに広がります。
次に何回かに分けて、合計230mlのお湯を注ぎます。
完成!いざ、いただきます。
ひとくち飲んだ途端に、グアテマラの華やかでやさしい香りが口の中いっぱいに広がります。驚くほど香り高い。
味わいは、ほのかな酸味を中心にバランスが整っており、飲みやすい印象です。口当たりもすごくクリーンで、尖った印象はまったくない。
後に残る余韻は、果物のような甘味とフレッシュ感があります。「コーヒーのきつい酸味が苦手」という方でも、フルーツジュースを飲むような感覚で楽しめる味です。
とても、おいしい!
カスカラティーも飲んでみる
カスカラティーもいただきます。
カスカラティーとは、コーヒーチェリーの豆以外の部分、つまり果実や皮の部分を乾燥させてつくったお茶のことです。
コーヒーチェリーティーという呼ばれ方もしています。
普段は捨ててしまうような部分をアップサイクルした商品であり、まさにサステイナブルな取り組みから生まれたものです。
筆者、カスカラティーを飲むのは今回がはじめて。とても楽しみです。
熱湯を注いで、しばらく抽出。
見た目は紅茶のような感じ。コーヒーっぽさはほとんどないです。
飲んでみるとこれは意外、「コーヒーとはまったく違う味わい」に驚きました。コーヒーのような苦味はなくて、見た目と同じく紅茶に近いような印象。
花のような香りと、ほのかな甘酸っぱさがあり、まるでローズヒップティーのような味わいです。
はちみつなどを加えて飲むのも、とてもよさそうです。
「コーヒー × SDGs」を実現する
近年よく耳にする「SDGs – 持続可能な開発目標 -」は、21世紀の世界が抱える課題を解決することを目標に掲げられているものです。
その目標の中には、環境や貧困の課題なども含まれています。
今回ご紹介したGOOD COFFEE FARMSのこの取り組みは、まさにSDGsと密接に結びつく内容です。
「SDGsは大事だと思うけど、具体的になにをしたらいいかわからない」という方も多いのではないでしょうか。その1人であった筆者も、このプロジェクトをお聞きしてすぐに出資させていただきました。
コーヒーの支援で、現地の方々にお礼を。そしてコーヒーで、サステイナブルな世界の実現へ。みなさんもぜひこのプロジェクトを支援してみてはいかがでしょうか?