ロブスタ種を主に栽培しているアンゴラ産のコーヒーは、日本では残念ながら流通量が非常に少ないのが現状です。
ブレンド向きだといわれるロブスタ種ですがアンゴラ産は品質が高く、そのままでも飲むことができるそう。本記事で詳しく紹介していきます。
アンゴラのコーヒーとは
アンゴラ(正式名称:アンゴラ共和国)は西アフリカに位置し、その面積は日本の約3.3倍を誇ります。
アンゴラといえば発展途上国のイメージが強いかもしれませんが、かつて物価が一番高い国といわれていた歴史があります。
また、自然にも非常に恵まれた国です。コントラストの美しい地層や岩山など、アフリカらしい生命力のある景色が特徴でもあります。
アンゴラのコーヒーの特徴
品種・栽培
品種:
アンゴラでは主にロブスタ種のコーヒー豆が栽培されています。
なかにはアラビカ種が栽培されているところもあるようですが、生育環境が限られているためごくわずかです。
栽培:
主に化学肥料を使わないオーガニック栽培がされていますが、インフラが整っていないが整備されていないこともあり、生産量がまだ少ないという問題があります。
等級・グレード
アンゴラ産コーヒーの品質について、まずはおおよその地域がわかるように「Ambriz」と「Amboim」という2つの栽培場所で区別をします。
「Ambriz」は主に北側の栽培地域、「Amboim」の中心付近の栽培地域を指します。その後、スクリーンサイズ(コーヒー豆の大きさ)によって、
- Grado
- Medio
- Corrente
の3つに分けられます。
または、欠点数をもとに、品質のよい順に
- Extra
- Superior
- 1a Qualidade
- 2a Qualidade AA
- 2a Qualidade BB
- 3a Qualidade CC
- 3a Qualidade DD
- Residuos
というように等級分けがされていきます。
アンゴラのコーヒーが栽培されている主なエリア
アンゴラコーヒーのうちロブスタ種は主に以下の地域で栽培されています。
- Uige
- Kwanza Norte
- Kwanza Sul
- Bengo
- Cabinda
また、アンゴラでは特に貴重なアラビカ種の栽培は以下の地域で行われています。
- Benguela
- Bie
- Huambo
- Huila
- Moxico
アンゴラのコーヒーの歴史
1830年代にポルトガル植民地時代にコーヒーが伝えられたといされています。
1970年代には最盛期を迎え、世界で4番目の生産量を誇りました。当時はロブスタ種の中でもさまざまな品種が育てられ、2,000ほどのプランテーション農場があったといわれています。
しかし、1974年にポルトガルから独立を果たすと、長い内戦が勃発し、コーヒー栽培は廃れていきます。
2014年に政府主導で再びコーヒー栽培を活発化させるべく、対策が取られるようになりました。
専門の機関(The Angolan National Coffee Institute)を設け、小規模農家の生産量が上がるよう新しい種を与えるほか、コーヒー栽培に向けた土地の開拓も専門機関主導で行われています。
アンゴラのコーヒーの味や香り
通常ロブスタ種のコーヒーは、他のアラビカ種などとブレンドして使うことがほとんどですが、アンゴラ産は違います。
ロブスタ種の中でも非常に洗練されており、風味豊かで大地を感じるようなコーヒーです。ブレンドしなくても十分にそのよさがわかるコーヒーになっています。
舌にのせたときになめらかでコクを感じることができ、甘みの余韻が残ります。
もちろんアラビカ種とブレンドしたものもおすすめで、より芳醇な香りを楽しむこともできます。
アンゴラのコーヒーのおすすめの焙煎・飲み方
アンゴラのコーヒー自体目にすることはほとんどないかもしれませんが、もし試す機会があれば、まずはブラックを飲むことをおすすめします。
ロブスタ種の力強さをダイレクトに感じることができるでしょう。
また、ストレートで飲むならアラビカ種の方が日本人はなじみがあると思うので、比較をしてみるのも面白いかもしれません。
同じアフリカ産のコーヒー豆で試してみて違いを楽しむのもいいでしょう。
ロブスタ種のいいところは色んなアラビカ種とブレンドして風味を豊かにすることです。そのため、コーヒー中上級者の方はオリジナルでブレンドして飲んでみるものありだと思います。
同じような風味をもつ豆とブレンドしてみたり、逆に酸味の強いものと合わせてみたりと、自分の好みを見つけてみてくださいね。
まとめ
アンゴラ産のコーヒーは主にヨーロッパ地域やアメリカに輸出されることがほとんどとなっており、日本で見つけるのは難しいかもしれません。
しかし、現在アンゴラでは再びコーヒー栽培に力を入れており積極的に活動しています。
今後生産量が増え、日本でもアンゴラ産のコーヒーを日常的に飲める日が来るといいですね。