世界最高峰のエベレストを有するネパールは、近年コーヒーの生産地としても注目されています。
コーヒー豆が輸出されるようになったのは2000年以降とまだまだ歴史の浅い国ですが、高品質だと評判です。
そんなネパールのコーヒー豆の特徴、栽培方法、歴史、おすすめの飲み方などについて紹介しています。
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ネパールのコーヒーとは
ネパール(正式名称:ネパール連邦民主共和国)はインドとチベット自治区の間に位置する南アジアの一国で、面積は北海道の約1.8倍ほどの小さな国です。
エベレストを含むヒマラヤ山脈と、中央は丘陵地帯、南部はタライ平原からなる国で、国土の8割が丘陵・山岳地帯という特徴があります。
その風土の特徴がコーヒー栽培に適しており、近年生産量が上がってきています。
ネパールのコーヒーの特徴
品種・栽培・精製方法
品種:
コーヒー豆はアラビカ種とロブスタ種の2つに分類されますが、ネパールでは主にアラビカ種が生産されています。
アラビカ種は病気にかかりやすく、生育条件も限られていることから育てるのが難しいとされています。
ネパールでは特に、アラビカ種の中でもブルボンとティピカという品種が栽培されることが多いです。
栽培:
コーヒー栽培に適している地域を「コーヒーベルト」と呼びますが、ネパールはその北限にあります。
ヒマラヤ山脈の麓、主に800~1,600mの標高で栽培されています。この地域のコーヒー豆は標高の高さによる寒暖差、降雨量などが影響し、非常に品質がよいと評判です。
コーヒー豆のトレーサビリティが明確で、審査でも高評価を受けているため、スペシャリティコーヒーの市場で存在感を増してきています。
また化学肥料を使わないオーガニック栽培で、他の作物を育てながらコーヒー豆も育てるという栽培方法で生産しています。
他の作物も同時に植えることで土壌が肥沃になるだけでなく、強烈な太陽の光を遮るので、良質なコーヒー豆が生産されるのです。
精製方法:
ネパールでは、コーヒーチェリーの収穫は機械に頼らず人の手で行われています。
収穫後、主にパルプドナチュラル(ハニープロセス)という方法で精製されています。
この精製方法は「ミューシレージ」という、コーヒー豆の糖分を取り除かずにそのまま乾燥させます。そのため、甘味やコクが強く感じられるコーヒー豆になります。
等級
- オーガニック認証あり:A grade
- オーガニック認証なし:B grade
明確な等級付けはなされていないですが、オーガニック認証を受けているものをA grade、オーガニック認証を受けていないコーヒー豆をB gradeとして区別しているようです。
ネパールのコーヒーが栽培されている主なエリア
現在、ネパール中央の丘陵地帯の40以上の地区でコーヒー豆が栽培されています。
中でも、
- Gulmi
- Palpa
- Argakhanchi
- Lalitpur
- Tanahu
- Kavre
といった地区でコーヒー栽培に成功しており、その生産量は年々上がっています。
ネパールのコーヒーの歴史
1938年、ある僧侶がミャンマーからコーヒー豆を持ち込み、栽培が始まったといわれています。
その当時はまだコーヒー豆について関心のある人が少なく、経済価値も見いだせなかったため生産量としては少なかったようです。
しかし1970年代に入り、コーヒー豆の価値が見直されるようになります。1983~84年には「ネパールコーヒーカンパニー(NeCCo)」が設立され、本格的なコーヒー豆の取引が始まります。
そして2002年以降に入ると急激な輸出増加と国内での消費も増加するようになり、ネパールにおけるコーヒー生産に力が入れられるようになりました。
また、ネパールにおけるコーヒー栽培は、これまで仕事がなかった山岳部の人々の生活を守るという点でも役立っています。
コーヒーのサードウェーブの波が広がる現在において、ネパールコーヒーの需要はますます高まっていくでしょう。
ネパールのコーヒーの味や香り
ネパールのコーヒーは、まろやかな酸味と中程度のコク、チョコレートやヘーゼルナッツのような風味があります。
全体的にバランスの取れた味わいで、日常的に飲みたいと思わせるようなコーヒーです。
ネパールのコーヒーのおすすめの焙煎・飲み方
ネパールのコーヒーは、まずはやはりブラックでネパールコーヒーの味わい深さを楽しんでみるのがおすすめです。
その後はあたたかいミルクとコーヒーを1:1で割ったカフェオレがおすすめ。ミルクとの相性が抜群で、ちがった印象の風味を感じられます。
また、チョコレートのような風味も感じられるので、チョコソースを入れて味わいを変えるのもおいしいでしょう。
バターやシナモンスティックを入れて、スパイシーな風味を足すのもおすすめ、ブラックからアレンジコーヒーまで、さまざまな飲み方に合うコーヒー豆です。
ネパールのコーヒーを試してみる
ヤマノバコーヒー ナマステヒマラヤ ネパール オーガニック コク
ヒマラヤの麓の農園で栽培された、「ナマステヒマラヤ」。ほのかな甘味とまろやかなコクが特徴です。
まとめ
ネパールコーヒーはあまり聞き馴染みがないですが、スペシャリティコーヒーとして年々注目が集まってきています。
酸味やコクともにバランスのとれたコーヒーでコーヒー初心者から上級者まで楽しめるコーヒーであるので、もし目に留まる機会があったらぜひ試してみてください。
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