「地球最後の楽園」と呼ばれているパプアニューギニア。
パプアニューギニアで生産されたコーヒーは、独自の製法と環境の影響により、クセがなく万人受けしやすい味で知られています。
そんなパプアニューギニアのコーヒーについての特徴、おすすめする飲み方についてまとめました。
パプアニューギニアのコーヒーとは
パプアニューギニア(正式名称:パプアニューギニア独立国)は、オーストラリアの北東にあるニューギニア島の、東半分およびその周辺の300以上の島々からなる、東南アジアの国家です。
主に鉱業・農業・林業が盛んで天然資源物が豊富であり、自然にも恵まれているため「地球最後の楽園」と称されています。
最高峰のウィルヘルム山(4,694m)をはじめとした約4,000m級の山々が連なっており、昼夜の気温差、火山性の肥沃な土壌、豊富な降雨量といったコーヒー豆栽培に適した環境がそろっています。
ニューギニア島の西半分はインドネシアの西パプア州となっており、口当たりが軽く飲みやすいとされる「パプア・ワメナ」のコーヒーが有名です。
パプアニューギニアのコーヒーの特徴
品種・栽培・精製方法
品種:
パプアニューギニアコーヒーの多くにエチオピア原産のアラビカ種が使われています。その中でも、下記の3つが主に栽培されています。
- ティピカ種
- ブルボン種
- アルシャ種
注目なのが、希少な品種であるティピカを栽培している点です。
環境の都合上、人の往来が抑えられコーヒー栽培で害があるサビ病の影響が少ないためパプアニューギニアは希少なティピカの産地となっています。
栽培:
パプアニューギニアでのコーヒーの栽培は「コーヒーガーデン」と呼ばれる小規模農園が主流になっています。
主に農作業を行うのは女性であり、大量のコーヒーを生産できない分、より質にこだわった栽培方法となります。
収穫は乾季の4〜8月の間に行われ、機械化が進んでいないため1粒ずつコーヒーチェリーの色などの状態を手作業で確認しています。
またコーヒーは日光を好みますが、日が強すぎるとうまく育たないため背が高い「シェイドツリー」と呼ばれる木で日陰をつくるなどの配慮がされています。
精製方法:
パプアニューギニアコーヒーは水洗式(ウォッシュト)によって精製されます。
水洗式で精製する場合大量の水で果肉を洗い流すため、クセのなくスッキリした味わいのコーヒー豆に仕上がります。
加工が終わったら乾燥し、パーチメントという内果皮を除去。その後等級ごとに分別され、出荷されます。
等級・グレード
パプアニューギニアコーヒーの等級・グレードはスクリーンサイズ(豆粒の大きさ)によって区別されています。
等級・グレード | スクリーンサイズ |
---|---|
AA | 6.95mm以上 |
A | 6.75mm以上 |
B | 6.55mm以上 |
AB | AとBの混合 Aが50%以上 |
C | 5.95mm以上 |
C〜AAと若いアルファベットに近づくほど、高級なコーヒー豆となります。
日本でパプアニューギニアコーヒーが発売される際はこの等級を使って「パプアニューギニア+銘柄+等級(AAなど)」という表記がされます。
パプアニューギニアのコーヒーが栽培されている主なエリア
- シグリ農園
- キガバ農園
- ブヌンウー農園
- キンデン農園
主な栽培に使われる農園として上記の4つがあげられます。どの農園もコーヒーの栽培に理想とされる、恵まれた環境に分布しています。
これらの農園では化学データで管理する施肥システムや、手摘みのコーヒー豆を3日間3回にわたって精製する加工方法を取り入れるなど、より高品質なコーヒーを生産するための工夫が日々されています。
パプアニューギニアのコーヒーの歴史
世界的に1800年代には多くの箇所でコーヒーの栽培がされておりましたが、パプアニューギニアコーヒーは1900年代後半から栽培が始まったため、歴史は浅いといわれています。
コーヒー自体の栽培は、1930年代にヨーロッパの宣教師がジャマイカ産の苗木を本土に持ち込んだことで始まりました。
その後1950年代に外国人が経営する「プランテーション」と呼ばれる、低単価で大量のコーヒーが生産できる大規模農園で栽培が行われるようになりました。
1975年オーストラリアからの独立が決まった後は独自の方法でコーヒーの栽培を始め、そこからパプアニューギニア産のコーヒーとしての歴史が始まりました。
パプアニューギニアのコーヒーは栽培からたった40〜50年ほどですが、すでに上質で高品質と知られているほどの知名度を誇っています。
パプアニューギニアのコーヒーの味や香り
パプアニューギニアコーヒーの味は地域によって細かな違いはありますが、クセがなくコクがしっかり感じる優しい酸味が特徴です。
苦味も控えめで尖ったクセもないため、初心者でも飲みやすくまさに万人受けする味といえるでしょう。
香りは花のような甘さと、フルーティーなみずみずしさが感じられます。コーヒーが冷めた後にはより際立った甘酸っぱさがあり、香りの変化も楽しめます。
パプアニューギニアのコーヒーのおすすめの焙煎・飲み方
パプアニューギニアのコーヒーは、基本的にはどの焙煎度でも違った味わいを楽しむことができます。
その中で特におすすめしたいのが酸味とコクのバランスがよく、フルーティーな風味が楽しめる中深煎り(シティーロースト)です。
中深煎りにすることで酸味や苦味のどちらかの主張が強くならずに、パプアニューギニアの特徴である優しい酸味とフルーティーな味わいを楽しむことができます。
飲み方は、家庭で楽しむならドリップがおすすめです。
よりコーヒーをおいしくいただくコツとして85〜90度の温度で細かくお湯をいれながら抽出すると、さらに酸味とコクが際立ちます。
パプアニューギニアコーヒーを試してみる
AA パプアニューギニア シグリ農園
パプアニューギニアのシグリ農園で収穫されたコーヒー豆。
シグリ農園は、「1日で1年の気候を繰り返す」といわれるほど豊かで激しい気候が特徴です。
そんな環境で揉まれたこちらのコーヒー豆は、コク・香りがしっかりと感じられ、上質な甘味と酸味を有するマイルドな味わいです。
非常にバランスの取れたコーヒー豆です。特徴を最大限引き出す中深煎りでの販売です。
豆の挽き方 (選択可) |
豆のまま、中挽き |
---|---|
内容量 | 200g |
まとめ
- 花のようなフルーティーな風味、優しい酸味
- 酸味とコクのバランスがとれる中深煎りがおすすめ
パプアニューギニアの自然がぎゅっと凝縮したようなおいしいコーヒーです。
クセもなく飲みやすいため今まで飲んだことがなかった方や、この記事を読んでみて興味をもった方はぜひ飲んでみてはいかがでしょうか。