モカコーヒーというと人気で知っている方も多いかもしれませんが、モカシダモという名前は聞いたことがある方は少ないのではないでしょうか。
ほどよい酸味が日本人好みの味わいで、一度は試していただきたいコーヒーです。これから詳しく紹介していきます。
モカシダモとは
モカシダモは、コーヒー発祥の地・エチオピアで収穫されたコーヒー豆のブランドの1つです。
エチオピア南部の「シダモ地方」を中心とした地域で栽培されたコーヒー豆がこのように呼ばれます。モカシダモの他にも、モカハラーやモカイルガチェフェなど、地域名に準じたさまざまなブランドがあります。
モカシダモなどが有名なエチオピアは、コーヒーセレモニーという儀式があるほど生活に根付き、なくてはならないものとなっています。モカシダモの特徴的な味わいをより周囲に広めるために2004年に政府によって商標登録されました。
また、国民の1割が何かしらのコーヒー産業に従事しているといわれています。エチオピアはコーヒーの国内消費も多く、国民に愛される飲み物だといえます。
モカシダモの特徴
品種・栽培・精製方法
品種:
モカシダモになるコーヒーはアラビカ種で、標高の高い場所で栽培されています。
アラビカ種は栽培条件が厳しいのですが、エチオピアには長年のコーヒー栽培におけるノウハウがあります。そのため、一貫して高品質なコーヒー栽培が可能なのです。
栽培:
標高2,000m以上、1日の寒暖差の激しい場所で栽培されています。火山性の土壌は栄養分も豊富なため、アラビカ種の栽培に適した環境です。
エチオピアではフォレストコーヒーといって、自生しているコーヒーから実をピックアップする栽培方法があります。
オーガニック栽培認証を受けるには莫大な費用や時間を要するため、認証を受けてはいないところがほとんどですが実際はオーガニックで栽培されています。
精製方法:
主にウォッシュトの精製方法が採用されています。ナイル川の豊富な水があるからこそできる精製方法です。また、一部ナチュラルの精製方法が使われているところもあります。
等級・グレード
等級は主に、300gのコーヒー豆に含まれる欠点数と精製方法によって分けられます。
最高級のグレード1からグレード8までの8段階で等級が決められます。輸出されるのはグレードが5までの等級のものになります。
モカシダモが栽培されている主なエリア
モカシダモを栽培しているおすすめの農園に「TadeGG農園」があります。シダモ州のグジ区というところにあり、ここで栽培されるモカシダモは特に欧米で人気のようです。
徹底的に管理された農園でJAS認証も取得している農園で、高品質なコーヒーを栽培し続けています。
モカシダモの歴史
エチオピアのコーヒーの起源については諸説ありますが、有名なのは山羊飼いカルディの伝説です。
赤い実を食べた山羊たちが興奮しているのも見て、カルディが試して食べてみるとすっきりした気分になり、その後眠気覚ましとしてイスラム圏で使われるようになったという話です。
一時の間は飲み物ではなく、食べ物として扱われていたようです。その後はイスラム聖職者や商人などの手によって、世界中にコーヒーが伝えられることになります。19世紀までの間でモカというブランドが定着したといわれています。
その後、モカシダモやモカハラーなどのブランドも増え、今日世界中のコーヒー愛飲者に愛される存在になっています。
モカシダモの味や香り
芳醇な香りで優しい酸味が感じられます。コクもありますが苦味は少なく、下にわずかな重厚感が残ります。全体的にまろやかで飲みやすいコーヒーだといえるでしょう。
浅煎りで飲むとモカの独特な香りを楽しむことができ、深煎りだとチョコレートのような風味を感じることができます。
モカシダモのおすすめの焙煎・飲み方
モカシダモの特長的な香りを楽しめる、浅煎りで飲むのがおすすめです。
飲み方はブラックがおすすめ。コーヒーを淹れるまでの間の時間も芳醇な香りを楽しめるようにペーパードリップでの抽出がいいでしょう。ほっとする贅沢な時間を過ごすことができますよ。
ブラックが苦手な方はミルクや砂糖を合わせるのもおすすめです。また、エチオピアのコーヒーセレモニーの飲み方でコーヒーに塩を入れて飲む方法もあります。気になる方はぜひチャレンジしてみてくださいね。
まとめ
モカシダモは、
- モカ特有の芳醇な香り
- フルーティーな酸味
- まろやかで飲みやすい
コーヒーであることを紹介しました。ブラックやアイスコーヒーをハンドドリップで楽しんでいただくのがおすすめです。ぜひお試しくださいね。