生活雑貨メーカーの株式会社マーナから、2021年1月15日よりメーカー初のコーヒー器具「Ready to」シリーズが発売されました。
蒸らしのお湯の量が目でわかるドリッパーや、保存と計量を同時にできるキャニスター、コーヒーかすを再利用する消臭ポットなど、まるでひみつ道具のようなアイディア商品が展開されています。
「これからコーヒーを始めたい、コーヒー器具をそろえたい」
「コーヒーメーカーを使わず、ハンドドリップで淹れたい」
という方にすごくフィットするんじゃないかと思います。
この記事では、Ready to シリーズについてのご紹介と、実際に使ってみた感想をまとめました。
Ready to シリーズは、ハンドドリップに欠かせない4つのアイテム
販売元のマーナは、創業から140年以上にわたって家庭用品を販売しているメーカー。
今回のReady to はハンドドリップの競技会に審査・運営で10年以上携わっているコーヒーのエキスパ―トと開発したのだそう。
「だれでも美味しく淹れられる工夫が詰まったコーヒー道具」というコンセプトのとおり、コーヒーを始めたての人でも迷いなくコーヒーを淹れられ、そして最後まで無駄なくコーヒーを使いきることができる器具になっています。
ドリッパー
一見普通のドリッパーのようにも見えますが、とにかく簡単に、迷いなくコーヒーを淹れるための工夫がいくつも凝らされています。
まず、このドリッパーの形状。円錐形の横に1箇所、でっぱりがあります。
このでっぱりにペーパーフィルターの接着部分をさし込むことで、フィルターを折らずにそのままセットできるようになっています。下の画像のような感じで、スポッとペーパーをはめられます。
すごく便利ですね。
さらに、ドリッパーの下の部分にはコーヒーが溜まるタンクがついていて、これは最初の「蒸らし」でどれくらいお湯を注いだらいいかをお知らせしてくれるというもの。
このタンクにコーヒーの液体が落ち始めてきたら、「蒸らし」にちょうどいい量のお湯が注げたサインになります。
上の画像の、のぞき穴から見えるでっぱりの部分が、タンク。ここにお湯が溜まってきた頃が蒸らしの最適なタイミングということです(こののぞき穴も、すごく配慮されていると思う)。
コーヒー始めたてのときって、蒸らしに必要なお湯の量を見極めるのがなかなか難しいものですが、これを参考にすれば安定したコーヒーが淹れられそう。
また、お湯がゆっくりと流れるようにリブが螺旋状になっており、お湯を中心に注ぐだけでドリッパーが最適な抽出スピードに調節してくれる設計になっています。
ドリッパーだけでも、ここまでアイディアが詰まっているんです。
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材質 | 飽和ポリエステル樹脂 |
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耐熱温度 | 100℃ |
サイズ | 約105×94×116mm |
生産国 | 中国 |
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ドリッパー・マグセット
こちらは、美濃焼のあたたかみのあるマグがついたセットです。マグは1杯分のかわいらしいサイズ感で、白と黒の2色展開。
実はこのマグにも、使いやすい工夫が。
画像だとわかりづらいかもしれませんが、マグの内側にコーヒー1杯分(130ml)のところに段がついています。少し色が変わっている部分。
ここを参考にすれば、はかりがなくても、どれくらいお湯を注げばいいのかがひと目でわかるようになっています。
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材質(マグ) | 陶磁器 |
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サイズ(マグ) | 約105×76×70mm |
生産国(マグ) | 日本 |
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コーヒー計量キャニスター
こちらのキャニスターは、計量スプーンやはかりがなくても1杯分のコーヒー豆が量れるようになっています。豆の保存と計量を同時にこなせる、ありそうでなかった、といえる革新的なアイテム。
注ぎ口の部分にコーヒー1杯分の粉が溜まるスペースがあり、さかさまにするとそこにコーヒー粉が溜まるようになっています。
なので、コーヒーを淹れる際はキャニスターを傾けるだけで、1杯分のコーヒー粉を量りとることができる仕組み。
本体の容量も160gと十分なので、キャニスターとしての機能もバッチリです。普段コーヒーを粉で保存しておきたい方にはぜひおすすめしたい製品です。
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材質 | 本体・計量パーツ/ABS樹脂、フタ/ポリエチレン |
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耐熱温度 | 60℃ |
容量 | 約520mL |
サイズ | 約84×196×80mm |
生産国 | 中国 |
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コーヒーかす消臭ポット
これもありそうでなかった、コーヒーかすを消臭剤として再利用できるポット。
使い方は簡単で、淹れ終わったコーヒーかすをペーパーフィルターごとポットに入れ、フタをするだけでOKです。
ポット自体の素材は、コーヒーかすが蒸れにくいように通気性の良い焼き締め製法で作られているので、コーヒーを淹れて水気を切ったら、ポンと入れるだけ。
コーヒーかすの消臭剤としての利用は、お手入れがちょっと面倒そうでなかなか手が出せずにいましたが、これなら簡単にコーヒーかすを再利用できそう。
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材質 | 本体/陶磁器、フタ/シリコーンゴム |
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耐熱温度 | 200℃ |
サイズ | 約φ86×96mm |
生産国 | 本体/日本、フタ/中国 |
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Ready to シリーズを使ってコーヒーを淹れてみた
では、実際にReady to シリーズを使ってコーヒーを淹れてみます。用意するものは以下の通り。
- Ready to シリーズ
(ドリッパー&マグ・キャニスター・コーヒーかすポット) - ペーパーフィルター
(円錐形・1~2杯用のもの) - コーヒー粉
(中~中細挽き)
キャニスターでコーヒー豆を量りとるところから、最後にコーヒーかすをポットに入れて再利用するところまで挑戦してみたいと思います。
フィルターをセット
マグの上にドリッパーを置いて、ペーパーフィルターは折らずに、接着部分をドリッパーの溝の部分にスポッとさし込みます。
コーヒー粉を量りとり、ドリッパーに入れる
次に、一度フタをしたままキャニスターをさかさまにして、1杯分のコーヒー粉(12g)を量りとります。
向きをもとに戻したら、フタを開けてもう1度かたむけるとコーヒー粉が出てきます。
このかたむけた段階で、キャニスターの内部に次の1杯分のコーヒー粉が計量されているので、2杯目以降淹れるときはそのままフタを開けてドリッパーに注げばOK。
粉を入れたら、ドリッパーを軽くゆすってコーヒー粉の表面を平らにします。
ドリップする
続いて、お湯を注いでドリップしていきます。
Ready to の淹れ方は、お湯を3回に分けて注ぐことがポイント。
- 1回目…蒸らし
タンクにコーヒーが落ち始めるまで注ぐ - 2回目…カップの半分まで注ぐ
ゆっくりとお湯を注いで、コーヒーの成分を抽出する - 3回目…カップの線まで注ぐ
勢いよく注ぐと、粉が撹拌されてクリアな味に仕上がる
すべての工程に目印があるので、「どれくらい、何回に分けて注げばいいんだろう」と迷うことなく淹れられるのがポイントです。基準があるから、味が安定するのも大きなメリット。
<1回目…蒸らし>
お湯の温度は、90~93℃くらいがおすすめ。沸騰させてから火を止めて、ボコボコと気泡が出なくなるくらいまで放置したら適温です。
まずは、粉全体をお湯で湿らせて、コーヒーの味を引き出す「蒸らし」の工程。
粉の上にゆっくりとお湯を注いで、ドリッパーの下にあるタンクにコーヒーが落ち始めたら、お湯を注ぐのをストップします。少しコーヒーが下に落ちてもOKです。
お湯を注ぎ終わったら、ゆっくりと10秒数えます。
<2回目…カップの半分まで注ぐ>
次に、のぞき穴を見ながら、カップの半分くらいまでコーヒーが落ちるようにゆっくりとお湯を注ぎます。
注いだお湯はドリッパーを通って時間差でカップに落ちてくるので、カップのコーヒーに合わせると注ぎすぎてしまうことがあるので、注意しましょう。
カップの下から3分の1くらいまでコーヒーが落ちる頃にお湯をストップすれば、ちょうどいい量になると思います。
<3回目…カップの線まで注ぐ>
カップの半分までコーヒーが落ちたら、次はカップの線まで勢いよくお湯を注いでいきます。
勢いよく注ぐことでドリッパー内の粉が撹拌されて、よりスッキリとした味のコーヒーに仕上がります。逆に濃いめのコーヒーが好きな方は、3回目もゆっくりと注ぐようにしてみてください。
ここでも、のぞき穴ばかり見ていると抽出しすぎてしまうかもしれないので、注ぐお湯をコントロールして抽出量を調整します。
上の画像のように、ドリッパーのフチにいかない程度まで勢いよくお湯を注ぐと、ちょうどよく抽出できると思います。
ドリッパーから落ちるコーヒーがポタポタとなったら、抽出完了です。
ポタポタがおさまるまでじっくりコーヒーを淹れてしまうと、かえってエグみや雑味が出てしまうことがあるので、ある程度落ちきったらドリッパーを外してしまってもよいでしょう。
コーヒーかすをポットに入れる
できあがったコーヒーを楽しみつつ、コーヒーかすの水気がしっかり切れたら、コーヒーかす消臭ポットの出番。
ポットのフタを開けたら、淹れ終わったフィルターごとコーヒーかすをポンと入れるだけで準備完了です。
あとはフタを閉めて、消臭したい場所に置いておくだけ。玄関や靴箱、冷蔵庫なんかにもよさそうです。
かすは、2~3日で取り替えることが推奨されています。毎日飲まれる方は、都度交換すれば衛生的ですね。
まとめ
誰でも迷いなくコーヒーが淹れられるアイディアが詰まったReady to シリーズを、実際に使ってみました。
結論、とても使いやすくて安定したコーヒーを淹れられるグッズだと思いました。コーヒーかすまで無駄にしないところも、素晴らしく工夫されたポイント。
特にコーヒー始めたての人や、これからおうちコーヒーを始めてみたい人にとっては、おいしいコーヒーが簡単に淹れられるのでかなり重宝するのではないでしょうか。
まずはこのReady to で安定したコーヒーの淹れ方を知ってから、いろいろなドリッパー、コーヒー豆に挑戦していくのもアリなんじゃないかなと思います。
今までになかった趣向が凝らされたReady to シリーズ、みなさんもぜひ試してみては。