モカコーヒーといえばエチオピア。そんなモカコーヒーには実はさまざまなブランドがあります。
その中の一つが今回ご紹介するモカハラーです。他にはモカシダモやモカアビシニアなどもあります。モカハラーは酸味が苦手な方に特におすすめのコーヒーです。詳しく説明していきます。
モカハラーとは
そもそもモカとは何?と思っている方は多いのではないでしょうか。
モカとは、イエメンにあるモカ港というところから輸出されていたコーヒーをそう呼んだのが起源です。その対岸にエチオピアがあり、一緒にコーヒーが輸出されていたため同じ呼び方になったそうです。
そんなモカコーヒー、現在までにブランド化が進み、モカの中でもハラー地区で栽培・収穫されたコーヒー豆のみが「モカハラー」と呼ばれ、区別されています。
モカハラーはモカの中でも特に上級品として扱われており、中には皇室御用達になるような豆が栽培されています。
モカハラーの特徴
品種・栽培・精製方法
品種:
モカはらーは、アラビカ種の中でもティピカという品種に位置づけられます。ロングベリーといって、豆が縦長いのが特徴です。
栽培:
エチオピアでは自生しているコーヒーも多く、フォレストコーヒーがほとんどです。
基本的には機械に頼らず、丁寧に手摘みされているため、1日の収穫量が限られていますまた、天日乾燥させることで、甘みがより引き立つようになります。
精製方法:
主にナチュラルの精製方法が採用されています。コーヒーチェリーの果実を残して乾燥させるため、ドライフルーツやワインのような風味や酸味が特徴としてあらわれます。
等級・グレード
モカハラーはスクリーンサイズ(豆の大きさ)によって以下の3つに分けられます。
- ボールドグレイン
- ロングベリー
- ショートベリー
ボールドクレインは2回選別されており、非常に品質の高いコーヒーとして流通しています。
モカハラーが栽培されている主なエリア
ハラー地区は、首都アジスアベバから東に520kmほど進んだところにあります。
山岳地帯の、標高が1800mから2000mと非常に高い場所でコーヒー豆は栽培されています。
昼夜の寒暖差が激しく、日当たりもよく、火山性の土壌に恵まれ、アラビカ種の栽培に適した場所になっています。
そんなハラー地区にある城塞都市「ハラール・ジュゴル」は2006年に世界遺産に登録されています。イスラム色の強い街としても有名で、世界遺産に登録されたことにより観光としても注目が高まってきています。
モカハラーの歴史
コーヒー発祥の地だけあって、1000年以上にわたる歴史を持つエチオピア。
発祥の話についてはカルディ伝説や聖職者シーク・オマールの話がありますが、どれも定かではありません。
しかしコーヒーはエチオピアの中で確実に根付き、人々の生活に寄り添ってきました。飲み物として現在は一般人が普通に飲んでいますが、かつては薬として扱われたり、イスラムの儀式に使われていたりと現在では想像がつかないような使われ方をしていました。
公式に「モカコーヒー」という名前が使われるようになったのは18世紀後半だといわれています。それからモカハラーとしてのブランドが確立し、現在も高品質なコーヒーが栽培されています。
モカハラーの味や香り
モカ特有の芳醇な香りに加えて、ワインのようなフルーティな酸味が特徴。深いコクがあります。
カカオのような香りも独特で、強すぎない酸味であるため、「すっぱいコーヒーが苦手だけどユニークな味わいのコーヒーが飲みたい」という方にも楽しんでいただけると思います。
モカハラーのおすすめの焙煎・飲み方
モカ特有の香りを楽しむべく、まずはブラックで飲んでもらうのがおすすめです。ネルドリップやペーパーフィルターなど抽出器具を変えて好みの飲み方をみつけてみましょう。
モカハラーはカカオのような風味があるため、チョコレートシロップを入れてみるのも非常におすすめです。いわゆるカフェモカの飲み方です。ミルクを入れることによってまろやかさやコクがさらにプラスされ飲みやすくなります。
まとめ
モカハラーの味わいの特徴は、
- 酸味は少なめでコクが感じられる
- ワインのような酸味がある
- カカオのような香りと余韻
があります。
モカハラーの中でも、最高等級であるボールドグレインは非常に希少性が高く、なかなか目にすることができません。
もし飲む機会があればぜひ試していただき、モカの芳醇な香りを堪能してみてくださいね。