コーヒーや紅茶にクリープを加えたことのある人、多いのではないでしょうか。
普通の牛乳だとどうしても賞味期限や保管方法を気にしなければなりませんが、クリープなら常温で長期間保存できるうえ、混ぜても飲み物が冷めないのでとても便利ですよね。
でも、クリープってなにでできているのかご存知ですか?なぜミルクなのに長期保存が可能なのでしょうか?そもそもミルクなのか?
この記事では、そんなクリープの成分やカロリー、体への影響はあるのかについてまとめました。
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クリープとは?
クリープとは、森永乳業が発売しているクリーミングパウダーのことです。
クリーミングパウダーとは、食べ物や飲み物にミルクやクリームの風味を追加する、いわゆる粉末ミルクです。
森永乳業のクリープのほかにも、AGFのマリーム、ネスレのブライトなど各社から同様のクリーミングパウダーが販売されています。
「粉末ミルクなんだから、どの商品もミルクを乾燥させたものでしょ?」と思われるかもしれませんが、一部の商品ではミルク以外の材料から作られているものもあるんです。
「クリープ(Creap)」の商品名の由来は、クリーミングパウダー(creaming powder)の英語表記から。CREAming Powderとアルファベットをとっていきクリープになったとのこと。
クリープの原材料・成分・カロリー
成分 | 品名・数値 |
---|---|
原材料 | 乳製品、乳糖 |
賞味期限 | 未開封で15ヶ月 |
アレルゲン | 乳成分 |
エネルギー | 15kcal |
たんぱく質 | 0.2g |
脂質 | 0.8g |
炭水化物 | 1.8g |
ナトリウム | 12mg |
カリウム | 9.3mg |
カルシウム | 2.6mg |
リン | 7.4mg |
※スプーン1杯3gあたりの含有量
参考:森永乳業ホームページ、森永乳業株式会社栄養成分一覧表
森永乳業によると、クリープは2016年現在において日本で唯一ミルク由来の成分のみを原料として製造している粉末クリームとのことです。
実際に森永乳業ホームページ上の原材料表を見てみると、「乳製品、乳糖」の2つのみが記載されていました。これを見る限り、確かにミルク由来の成分のみでできていると判断できるでしょう。
乳糖はラクトースともいい、牛乳に多く含まれる甘味成分のことです。これを乳製品に対してさらに追加しているので、普通のミルクよりも濃厚な甘味が感じられるように作られているようです。
具体的に他社の製品とどう違うのか、本当に「日本で唯一ミルク由来」なのか、原材料表を見ながら比較してみましょう。
マリーム・ブライトとの原材料・カロリー比較
■AGF マリーム
成分 | 品名・数値 |
---|---|
原材料 | 水あめ、植物油脂、食塩、乳等を主要原料とする食品 / pH調整剤、乳たん白、乳化剤、香料(乳由来)、カラメル色素 |
賞味期限 | 未開封で25ヶ月 |
エネルギー | 16kcal |
たんぱく質 | 0.04g |
脂質 | 0.95g |
炭水化物 | 1.8g |
※スプーン1杯3gあたりの含有量
参考:AGFホームページ
■ネスレ ブライト
成分 | 品名・数値 |
---|---|
原材料 | コーンシロップ、植物油脂、砂糖、カゼイン(乳由来)、pH調整剤、乳化剤、酸化ケイ素、香料、クチナシ色素 |
賞味期限 | 未開封で24ヶ月 |
エネルギー | 17kcal |
たんぱく質 | 0.04g |
脂質 | 1.1g |
炭水化物 | 1.7g |
ナトリウム | 21mg |
※スプーン1杯3gあたりの含有量
参考:ネスレ商品ラインナップ/ネスレ ブライト 260g/ニュートリショナルコンパス、ネスレ ブライト スティックタイプ (6本入)/amazon
AGFのマリーム、ネスレのブライトを例にとって比較をしてみます。原材料を見てみると一目瞭然、ミルク以外にもさまざまな材料が使われていることがわかりますね。
原材料表は原則として含有割合の最も多い順で記載する決まりなので、単純に見ればミルク(ここでは、乳等を主要原料とする食品)よりも水あめや植物油脂、コーンシロップなどの方が多く入っているということになります。
あくまでも「ミルク風」
ポイントは、乳化剤という添加物。
水と植物油脂は本来は分離してしまうもの同士ですが、乳化剤を加えることで均一に混ぜあわせることができます。
これを「乳化」と呼ぶのですが、乳化した液体はまるでミルクのように白く濁った液体になるのです。
ここに香りづけの添加物を加えて風味付けすれば、見た目も香りもミルクのようになります。クリープとは異なり、添加物によってミルクの風味を再現しているようですね。
クリープに比べマリームやブライトの方が賞味期限が10ヶ月ほど長いのも、天然のミルクを一切使用していないことが関係しているのかもしれません。
トランス脂肪酸の危惧
また、植物油を加工する際にトランス脂肪酸が生じます。
諸外国の研究によると、トランス脂肪酸の過剰摂取により心筋梗塞などの心臓疾患や肥満、アレルギー性疾患と関係がある可能性が高いとされています※1。
トランス脂肪酸は天然にも存在し、牛乳や乳製品などの中にも含まれてはいますが※2、一節では乳脂肪よりも植物性油脂の方がトランス脂肪酸の量が多いといわれています※3。
これが正しいとすれば、乳成分由来のクリープよりも植物性油脂由来のマリーム・ブライトの方がトランス脂肪酸の含有量が多いといえるかもしれません。
食環境の違いから、そもそも日本人はトランス脂肪酸を摂取する機会が圧倒的に少なく、日本人の平均摂取量と疾患との関連性は明らかになっていません。(日本ではトランス脂肪酸の表示義務もありません。)
とはいえ100%リスクがないとは断言できないので、気に留めておくとよいかもしれませんね。
マリームやブライト、その他メーカーのクリーミングパウダーの原材料などが気になる方は、以下のページもご参照ください。
※1 トランス脂肪酸に関するQ&A|厚生労働省
※2 すぐにわかるトランス脂肪酸|農林水産省
※3 調査報告 トランス脂肪酸|NPO法人食品と暮らしの安全基金
クリープは健康に悪いのか
クリープは上記の通りミルク由来の成分のみが原材料で、香料や着色料などの添加物は使用していないことから、健康への悪影響はほとんどないと考えられます。
クリープ以外のクリーミングパウダーには添加物が複数入っている場合がほとんどなので、添加物が気になる方はクリープを選ぶのがおすすめです。
クリープは乳糖を追加することで普通のミルクというより生クリームに近い濃厚な味になっているので、少量でもしっかりとミルクの甘さやマイルドさを味わうことができます。
ただし、クリープを使う際には以下のようなことに注意してください。いくら安全といえど、使い方を誤ればリスクとなってしまうことも考えられます。
クリープのデメリット・注意点
かけすぎ、入れすぎはハイカロリー
クリープはスプーン1杯(3g)あたり約15kcalのエネルギーが含まれています。味が凝縮されて濃厚になっている分、カロリーもギュッと詰まっています。
そのためコーヒー1杯に対してスプーン何杯もクリープを入れたり、それを1日何回も続けたりすれば多少なりともカロリー摂取量が増えてしまいます。
使用する量はほどほどにするのがベターです。
保存場所・使用方法に注意
クリープの賞味期限は15ヶ月ですが、これはあくまでも開封前の期限です。当然ですが、1度開封してしまったらどんどん品質が劣化していきます。
少しでも品質を保つために直射日光や温度変化の激しい場所を避け、なるべく乾燥したところに保管するようにし、開封後は1ヶ月程度を目安に使い切るようにしてください。
また、クリープは雑菌の温床になってしまう可能性もあるので、クリープをすくうスプーンは清潔なものを使用してください。
牛乳アレルギーの方は非推奨
アレルゲン | 乳成分 |
---|
クリープは乳製品を使用しているため、牛乳アレルギーの方にはおすすめできません。また乳糖をうまく分解できない乳糖不耐症の方も下痢や消化不良などを引き起こしてしまうおそれがあります。
牛乳アレルギーを持っている方や、牛乳が苦手な方でもミルク感を楽しめるという意味では、植物油脂由来のマリームやブライトが適しています。
クリープを購入する
クリープ 265g
一般的なボトルタイプ・詰め替えタイプのクリープ。乳化剤や植物油脂が気になる方はぜひクリープをご利用ください。
クリープライト(低脂肪タイプ) 200g
ミルク由来のおいしさは変わらず、乳脂肪分を50%カットしたクリープです。脂肪分を気にせず使いたい方はこちらがおすすめです。
クリープ オフィス用スティック 3g×100本
スプーン1杯分(3g)ずつの小分けになっているので、オフィスでの使用や来客時に使いやすいですね。
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