誰もが一度は耳にしたことがあるコーヒー豆といえば、ずばり「モカコーヒー」ではないでしょうか。
味わいも一級品で、上品さから「コーヒーの貴婦人」と称されるほど。今回はそんなモカコーヒーについてまとめました。
モカコーヒーとは

コーヒー豆のブランド「モカ」の名前は、アラビア半島のイエメン共和国にある港町・モカに由来します。
紅海を挟んだイエメンの対岸にあるエチオピアは、コーヒーノキが初めて発見され、そして栽培されはじめた場所といわれています。イエメンでもエチオピアに次いで古くからコーヒー栽培が行われていました。
このコーヒーを世界的に広めたのは、アラビア半島の商人です。イエメンやエチオピアで採れたコーヒー豆を中東の主要な港町であった「モカ」に運び入れ、ヨーロッパ諸国などに輸出していました。
もともとはここから輸出されたコーヒー豆のことを、港町の名前にちなんでモカと呼んでいました。つまりモカはコーヒーが世界中で親しまれるようになったきっかけの地であり、最も古いコーヒー豆ブランドだったのです。
モカコーヒーの特徴

モカの種類
モカではイエメン産のほかにもエチオピア産のコーヒー豆も一緒に輸出していたため、両国産のコーヒー豆を合わせて「モカ」と呼ばれます。
同じモカでも産地や地域によって区別されており、「モカ+収穫地域名」というかたちで呼ばれています。イエメン産とエチオピア産それぞれの代表的なモカとして、以下のようなものがあります。
イエメン産・エチオピア産のどちらも原種は同じということもあり、風味はよく似ています。
イエメン産の豆は小粒で楕円形をしているので「ショートベリー」、エチオピア産は細長い形をしているので「ロングベリー」と呼ばれることもあります。
モカの歴史
港町モカは15世紀からコーヒー豆の輸出を始めており、17世紀ごろにはコーヒー輸出産業の絶頂期を迎えます。
しかし18世紀、「黒死病」ともいわれるペストが大流行したことにより、人口の半分が失われました。それに伴い、モカのコーヒー産業も衰退の一途をたどることになります。
その後ペストは収束したものの、各国の軍事介入やエチオピアが独自に港を開いてモカよりも安い価格で輸出を始めたことなどにより、コーヒー豆の輸出港としてのモカの立場は低下していきました。
かつて唯一のコーヒー産地だったモカですが、現在ではコーヒー豆の輸出港としての機能はほぼなく、漁業や観光業などが主要産業になっているそうです。
モカコーヒーの味・香り

モカは種類によって少しずつ個性は変わりますが、総じてチョコレートのような力強い香りとフルーツのような強い酸味を持っています。
酸味というとあまりいいイメージを持たない方もいらっしゃるかもしれませんが、モカ本来の酸味はレモンやライムのようなさわやかな酸味です。口に残るような、いやな酸味ではありません。程よいコクと甘味も感じられるので、むしろモカの酸味はとても飲みやすいのです。
いやな方の酸味はコーヒー豆の品質がよくなかったり、コーヒー豆が“酸化”することによって引き起こされます。焙煎してから時間が経った豆や値段の安い豆などを使えば、どうしてもすっぱいコーヒーになってしまいます。
≫コーヒーの「酸味」とは??本当の酸味はすっぱいだけじゃない

モカコーヒーのおいしい飲み方・淹れ方

焙煎度合い
モカコーヒーは焙煎度合いをコントロールすることによって、さまざまな表情を楽しめるのが特徴です。
浅めに煎れば、モカフレーバーと呼ばれる独特の香りがはっきりと感じられます。明るい酸味の後に甘味がやってくるような、すっきりとした味わいになります。
深めに煎れば酸味はある程度抑えられ、苦味と深いコクが強く感じられるようになります。淹れたときの香り、飲んだときに鼻から抜ける香りはまるでチョコレートのようなビターさを想像させます。
お湯の温度
モカの風味を引き立たせるなら、お湯の温度はやや低めの70~80℃程度がおすすめです。
お湯の温度は高いほど苦味や酸味がはっきりと感じられるコーヒーになり、低いほど角が取れたマイルドなコーヒーになります。また、コーヒーの甘味は温度が低い方が抽出されやすいです。
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「カフェモカ」との関係

モカのつくコーヒーとして、コーヒーにチョコレートシロップとミルクを加えて作るカフェモカを連想する方もいらっしゃるのではないでしょうか。実はこの2つは関係があり、カフェモカはモカコーヒーを模してつくられたものなのです。
カフェモカはアメリカで考案された飲み方です。当時は高価だったモカコーヒーの中に「チョコレートのような風味」があることを感じたアメリカ人が、普通のコーヒーにチョコレートを加えてモカコーヒーっぽくして飲むようになったことが由来とされています。