カフェイン中毒とは?症状や治し方、コーヒーの量は1日何杯まで?

コーヒーの効果・健康

カフェインには中毒を引き起こす可能性があるのをご存知でしょうか?頭痛や一時的な不眠などの軽症のほかに、重症化すると視覚異常やけいれんなどを発症することがあります。

この記事では、カフェイン中毒の症状や対処法、カフェイン依存症との違い、コーヒーは1日どのくらい飲んでいいのかなどについてまとめています。




カフェイン中毒とは?

カフェイン中毒とは、その名の通りカフェインの摂取によって引き起こされる中毒を指します。

そもそも「中毒」とは、毒性を持つ物質が許容範囲を超えて体内に入ることにより機能障害を起こすことをいいます。つまり、カフェインには少なからず毒性があるということです。

また「カフェイン依存症」と混同されることがよくありますが、厳密には異なります。

依存症とは精神疾患のひとつで、「その対象を摂取し続けないと体に不調が起こるために、やめられなくなること」を指します。禁断症状や離脱症状は、依存症によるものです。

カフェイン中毒とカフェイン依存症は全く別の状態を指すということを知っておいてくださいね。

カフェイン中毒の原因

カフェイン中毒は、カフェインを多く含む食べ物や飲み物を摂りすぎてしまうことが原因で起こります。

カフェインはコーヒーに含まれているものと思われがちですが、他にもココアや紅茶、お茶、コーラ、チョコレートなどにも含まれています。

これらを日常的に摂取し続けていたり、短時間に多量に摂ったりするようなことがあれば、自分でも知らないうちにカフェイン中毒を起こしてしまうことがあります。

 

カフェイン中毒の症状

カフェインの摂取量によって、あらわれる症状が異なります。個人差はありますが、一般に過剰に摂取するほど中毒症状は重症化します。

軽度の場合

  • 一時的な不眠
  • 興奮
  • 感覚過敏
  • 焦り・不安
  • 顔面の紅潮
  • 吐き気・胸のむかつき
  • 心拍数の増加
  • 手に力が入らなくなるなど

軽度の場合は気分の不自然な浮き沈みによる嫌悪感や消化器・循環器症状、頭痛などがみられます。

個人差はありますが、1日に250mg以上のカフェインを摂取するとこれらの症状があらわれることがあります。

重度の場合

  • 精神錯乱
  • 幻覚・幻聴・妄想
  • パニック発作
  • 過呼吸
  • 手足のけいれんなど

1時間以内に6.5mg/kg以上のカフェインを摂取した方の約半数が、3時間以内に 17 mg/kg 以上を摂取した方の全員が急性症状を発症するといわれています。

重症の場合は、精神錯乱や衝動性、パニック発作などの精神症状があらわれます。特に神経質な人やうつ病、パニック障害などをわずらっている人は重症化しやすいといわれます。

身体症状としては、呼吸の乱れや不整脈、歩くのが困難なほどのけいれんなどが起こります。

 

カフェイン中毒の治療法・治し方

カフェインは摂取してから30分程度で最も血中濃度が高い状態になり、体内のカフェイン量が半減するまでに約5時間かかるといわれています。

カフェインに対する拮抗薬や解毒剤はないため、基本的に代謝により体内のカフェイン濃度が十分に下がるのを待ちます。

軽度の場合は、水を多めに飲んで血中のカフェイン濃度を下げるようにすると中毒症状が早くおさまる可能性があります。

重症の場合は、鼻からチューブを通して胃洗浄を行ったり、血液透析を行ったりします。錯乱状態やパニック発作があるときにはベンゾジアゼピン系の鎮静薬や抗精神病薬などを用いることもあります。

耐えがたいような不快感や身体異常があるときは、専門機関で適切な処置を行う必要がある場合があります。放置せず、必ず病院に行き医師の指示をあおぐようにしてくださいね。

予後

身体から不快感がなくなった、または医師が大丈夫と判断した場合は治療を終了し、経過観察と休養で様子を見ます。

精神的・肉体的に過労となっている場合があるため、入院や点滴を通して栄養補給と心身を休ませる措置が取られることもあります。

 

カフェインに依存性はあるのか

アメリカ精神医学会の刊行する『精神障害の診断と統計マニュアル(DSM)』によれば、カフェインを強く求めるような傾向(嗜癖)はみられるものの、依存症と認定できるほどの深刻な状態はほとんどみられないとしています。

ただ、カフェイン依存に近い状態で急にカフェインの摂取を止める(離脱する)と、眠気や集中力の減退、落ち込みや不安感、頭痛、吐き気などの離脱症状が起きる場合があります。

いずれの症状も通常は半日~2日以内に発症し、数日間でおさまります。

 

コーヒーに含まれるカフェイン量の目安

コーヒーの分量カフェインの量
マグカップ1杯
(250ml)
約138mg
缶コーヒー(小)1本
(190g)
約105mg
缶コーヒー(大)1本
(250g)
約138mg
スターバックス トール
(350ml)
約193mg

参考:Mayo Clinic/Caffeine content for coffee, tea, soda and more(一部加工して記載)

ドリップコーヒー100g中に含まれるカフェインの量は40~70mgといわれています。それぞれ1回分の飲む分量にあわせて計算してみると、上の表のような数値になります。

ちなみに

インスタントタイプのコーヒーのカフェイン量は100gあたり約27mgと、ドリップコーヒーよりも少なめです。

 

中毒にならないコーヒーの飲み方

  • 1回の許容摂取量:3mg/kg
  • 1日の許容摂取量:5.7mg/kg

参考:efsa/Scientific Opinion on the safety of caffeine

欧州食品安全機関(EFSA)の調査によると、成人の体重1kgあたりのカフェインの許容摂取量は上記のとおりです。この数字に自分の体重をかけ合わせて、自分の許容摂取量を算出してみてください。

例えば70kgの方だったら、3mg×70kg=210mgが1回のカフェイン摂取量、そして5.7mg×70kg=399mgが1日の許容摂取量ということになります。

この数値を踏まえて、マグカップ1杯あたり(分量250ml・カフェイン138mg)の量で計算すると体重あたり何杯までなら飲んでも悪影響がないのかを以下の表にまとめました。

ただしこれは目安であり、人によっては数値以下の摂取量でも中毒症状が出る場合があります。あくまでも参考程度にとどめておいてください。

体重1日の許容摂取量1回の許容摂取量
70kg約3杯約1.5杯
60kg約2.5杯約1.3杯
50kg約2杯約1.1杯
40kg約1.7杯約0.9杯
30kg約1.2杯約0.6杯

カフェインには致死量もある

  • 半数致死量:200mg/kg

半数致死量とはその量を摂取した動物のうち半数が死亡にいたる用量を指し、カフェインの半数致死量は200mg/kgといわれています。

70kgの方であれば、200mg×70kg=14000mgがカフェインの半数致死量となり、ドリップコーヒー(1杯あたりカフェイン138mg)で想定すると約101杯飲むと半数致死量に達することになります。

 

短時間での多量摂取は危険

上述の通りコーヒーのほかに、チョコレートやエナジードリンクにもカフェインは多く含まれます。

カフェインの持つ眠気覚まし効果や疲労回復効果はとても魅力的ですが、過剰に摂取することは危険です。カフェインには毒性がある、中毒症状を起こす可能性があることをしかりと理解して、上手な付き合い方をしましょう。

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