Coffee Blender Alchemist(コーヒーブレンダー・アルケミスト)さんのコーヒー豆をいただきました。
「コーヒーの世界は『調合』で無限に広がる」をコンセプトに掲げる、杜の都・仙台発のブレンドコーヒー専門店。
以前レビューさせていただいた自家焙煎珈琲あおばさんの後継となるお店です。
店名やラインナップは変わりましたが、ブレンドにかける情熱はいまだ変わらず、とのこと。
近年はノンブレンドで、シングルオリジンの”素材”を楽しむ焙煎店が多い印象ですが、
その素材たちをかけ合わせる、つまり“料理”としてブレンドをとらえて、新しい価値・味わいを引き出すことに重きを置いています。
「Alchemist=錬金術師」の名前の通り、ブレンドにより新しい調和を創り出す。なんとも素敵な。
Coffee Blender Alchemist
『懐-NATSUKASHI-』
生豆原産国:グァテマラ、ブラジル、その他
―あの頃足繁く通っていた喫茶店のように。ブレンド
『杜-MORI-』
生豆原産国:ブラジル
―木々生い茂る都の風を感じて。ブレンド
いただいたのは、こちらの2種類のブレンド。
販売されているブレンドそれぞれにコンセプトや説明テキストが設けられていて、どんな味わいなのか雰囲気を想像しながら選べるのがいいですね。
『懐-NATSUKASHI-』を開封してみます。
ブレンドに使用する豆をそれぞれ別に焙煎を行ってからブレンドする、アフターミックス製法でつくられています。
ブレンドする豆の分だけ焙煎をするので手間はかかりますが、それぞれの豆の焙煎度を細かく調節できる特長があります。
繊細なニュアンスを表現するための製法で、まさに「調合」という印象です。
なにで淹れようか悩みましたが、やっぱりまずはドリップで。
いいにおいが広がります。少し焦げたような、ほろ苦く香ばしい香り。
ひとくち飲んだ私の印象は、「深い!」。
やや深めの焙煎度ということでもありますが、なにより、どこか奥ゆかしさを感じるような味わいの深さ。
はじめて飲んだという気がしないのは不思議ですね。
純日本風の味わいというか、昔どこかで飲んだことのあるような、まさに懐かしい感じがします。
「あー、これこれ!この味!」という安心感。これが喫茶店で味わうコーヒーなんだろうな。
喫茶店というものにそこまで触れてきていない私ですが、すごく心懐かしい穏やかな気分にさせてくれます。
ほろ苦くまろやかな風味で、ほっと一息つける、そんな感覚がありました。
コーヒー1杯ですごく想像が膨らんで、そしてそこにゆっくりと浸れるのがいいですね。
コーヒーそのものの力もあるのだろうけど、それをより高めてくれるブレンドの調和があってこそなのだと思いました。
素敵な焙煎店を知れてよかったです。