手動ミルクフォーマー界で根強い人気の「ナノフォーマー」に、全自動タイプ「PRO」が登場しました。
ミルクの加熱から、ラテアートができるレベルのフォーミングまで、すべてをこなしてくれるというもの。
ミルクを用意して、ボタンを押すだけで誰でも失敗なくフォームミルクを作れるので、従来のナノフォーマーと比較して手間が大幅に減り、なおかつスピーディにカフェラテなどを楽しめるようになった印象です。
お借りして一足先に使わせていただいたので、レビューしました。
ナノフォーマー PRO
Nano Foamer Japan
ナノフォーマーPRO / NanoFoamer PRO
従来のナノフォーマーから大きく進化した点は、「ミルクの加熱から攪拌まで、ボタン1つでつやとろミルクを作ってくれる」こと。
これまでのナノフォーマーは、まずミルクを温めて、そのあとにフォーマーを手動でうまいこと調節してミルクフォームを作るという作業だったため、まぁちょっと手間であったことは事実かなと思います。
そんな面倒なところをすべてPROが完璧にやってくれるので、とても手軽になりました。GOOD。
どんなにいい製品でも使うのが億劫だと意味がないですもんね。
仕様・構造
ふたのところに、ナノフォーマー特有のメッシュスクリーンつきのチップがついています。このパーツがきめ細やかなふわとろミルクを作るキモ。
ナノフォーマーが他のミルクフォーマーと一線を画しているのがこのチップであり、その技術はPROにもしっかりと受け継がれています。
あとは「フローコントローラー」という、ミルクジャグの内側に取り付けて使うパーツが3種。磁力でくっつきます。
これはミルクの泡立ちをコントロールしてくれる縁の下の力持ち的なパーツで、「黒 < 青 < 緑」の順で内部の液体の回転速度が上がるようになるとのこと。
- 黒:牛乳などの泡立ちやすい液体、少量のドリンクを作るときに使用
- 青、緑:ソイ、オーツミルクなどの泡立ちにくい液体、大量のドリンクを作るときに使用
という感じで使い分けられるようになっています。
使ってみた感じ、黒はとろとろのフォームミルクになるので、ラテアート向き。
緑はより泡立ってくれるので、カプチーノなどに向いているような印象です。
まずは黒から使ってみて、フォームが物足りなかったら青→緑と調節していくのがよさそうです。
ナノフォーマー PROを使ってみる
実力のほどはいかに。実際にナノフォーマー PROでカフェラテを作ってみます。
1. エスプレッソを用意
まずはエスプレッソを用意。愛用機の「スタレッソ ミニ」でつくっていきます。
コンパクトなのはすごくいいのですが、小ささゆえに1回あたりの抽出で使える粉の量が少なく、ミルクと合わせるとちょっと物足りない感じがあるのですが…、ご愛敬。
今回ナノフォーマーとのコラボレーションセットにもなっている「Flair Espresso」はたっぷりの粉で濃厚なエスプレッソが抽出できるので、おすすめ。
ラテアートに挑戦したい方なんかは、エスプレッソの質もかなり重要になってくるので、特におすすめです。
私も、いつかは手に入れたいなぁと思っている(余談)。
2. ジャグにフローコントローラーとミルクを入れる
今回は黒のフローコントローラーを使います。内部のメモリ横に取り付ける目印があるので、そこに取り付けます。
そして冷たいミルクを、好みの分量だけ入れます。
ふたをしっかりと閉めて、準備完了。
3. ディスプレイをタッチして攪拌スタート
電源コードつきのベースにジャグを乗せたら、ディスプレイボタンをタッチして、好みのプログラムを選択。
ディスプレイはタッチするたびに数字が切り替わり、それぞれ意味は次のような感じ。
- 1:小さなドリンク用
- 2~4:標準的なドリンク用(数字が大きくなるにつれて泡立ちが大きくなる)
- 5:大きいドリンク用
- ○:冷たいドリンク用
細かく調整できますが、基本的に1杯分のミルクを作るなら「2~4」を選べばよさそう。今回は「2」で作ります。
好きな数字で手を止めれば、自動で攪拌がスタートします。
ミルクが加熱&回転しはじめます。まるでカフェのバリスタがミルクを泡立てているような感じです。
おそらく加熱や攪拌の段階に応じて、ディスプレイが変わるのも見ていて楽しい。
ミルクの攪拌が終わり、温度が55℃になると「OK」となり、ピッピッと音が鳴ります。
「OK」の表示が出てもしばらく攪拌・加熱がつづき、最高で65℃になると自動で止まるような仕組みです。
好きなタイミングでナノフォーマーPROを持ち上げて、好みの温度帯で加熱を停止することができます。
だいたい2分くらいで完成。ものすごくつやとろなミルクができました。
きめ細やか、かつもこもこになりすぎていない絶妙なフォームのバランスで、ラテアート向きなミルクが出来上がった印象です。
あとはエスプレッソと合わせて、カフェラテの完成。
(ラテアート失敗したので、デザインカプチーノでごまかしています… ;’∀’)
ミルクの口当たりは完璧です。カフェで飲むカフェラテと遜色ないレベルでおいしいと感じます。
ミルクの甘味もしっかり感じられます。これは細かい空気をしっかり含んでいるのと、55~65℃というミルクの甘味が最も強くなる温度帯でコントロールできているからでしょう。
使ってみた感想(メリット・デメリット)
ミルクを温めなくていいので、すごく楽
冷蔵庫から取り出したばかりの冷たいミルクでも、2分くらいでちょうどいい温度帯にまで加熱&攪拌してくれるので、これは特に楽だなと感じました。
「温めて、攪拌して…」の手間がボタン1つでできるというのもそうなんですが、何よりミルクを作っている間にエスプレッソを淹れられることがかなり嬉しいなと思います。
エスプレッソを先に淹れると、ミルクを作っている間に冷めちゃうことがあるんですよね。それがなくなるのがすごくいい。
ラテアートができるレベルのフォームミルクが、全自動で作れる
この手の全自動ミルクフォーマーは、他のメーカーからも販売されてはいます。
それらはもこもこなフォームミルクは作れるものの、ラテアートができる絶妙な具合いの調整ができないという欠点があると感じています。
(もこもこ過ぎると、液面にミルクがうまく流れてくれず、描けない)
ラテアート初心者も経験者も、まずはラテアートができるほど質のいいフォームミルクを用意することが重要だと考えます。
その点、ナノフォーマー PROは申し分なし。全自動で完璧なミルクを作ってくれます。
僕もまだまだ初心者、練習中ではありますが、ぐっと上達しそうな予感。
お手入れは、ちょっと気を遣う
ケトルの底部には電極がむき出しの状態なので、使用後に水で注ぐときはけっこうビビります。水があたってしまうとオジャンになってしまうので。
ケトルの内側にコーティングが施してあり汚れが落ちやすくなっているので、「水ですすぎスポンジや布で軽く拭き取ればOK」というのがメーカー推奨のお手入れ方法ですが、やっぱりミルクを使った後は洗剤でしっかりと洗いたい気持ちがあります。
あとは水ですすいだだけでは落とし切れず、多少こびりつくのでふき取りは必須かなという感じ。
フォームミルクの質・使い心地は申し分ないのだが、お手入れがもう少し気兼ねなくできるとよかったな…と個人的に思いました。
まとめ
結論、「ラテアートができるレベルのフォームミルクが、全自動で作れる」というすごいヤツです。
従来のナノフォーマーは手で操作が必要だったので、ある程度慣れが必要だったり、たとえ慣れていても失敗する・きれいなフォームが作れないときはあります。(練習不足というのもあるかもしれませんが)
「よしラテアート頑張るぞ!」とモチベーション上げても、ミルクがうまく作れないとやる気が落ちちゃうんですよね…。でもナノフォーマーなら確実にミルクができるので、余計な思念なくラテアート練習に集中できます。
やっぱり手軽さが魅力で、おうちカフェのレベルがぐっと上がると思います。ぜひお試しあれ。
ナノフォーマー PRO
Nano Foamer Japan