HARIO(ハリオ)が販売する「浸漬式ドリッパー スイッチ」は一般的なドリッパーと違い、お湯が流れずドリッパー内で留まる「浸漬式」という抽出方法でコーヒーを淹れられる器具です。
コーヒー豆の品質や個性がダイレクトに味わえる浸漬式は、最近のスペシャルティコーヒーの高まりに非常に相性がよい淹れ方。そんな浸漬式の味わいを、手軽かつコンパクトに楽しむことができます。
それだけでなく、スイッチは透過式と浸漬式のちょうど中間といえるような原理になっており、透過式・浸漬式の両方のメリットを持ち、デメリットを解消できる画期的な商品なのです。
そんな浸漬式ドリッパー スイッチについて、詳しくご説明します。
浸漬式ドリッパー スイッチのスペック・特徴
サイズ | 幅 118 × 奥行 115 × 高 133mm |
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抽出量 | 200ml |
材質 | 耐熱ガラス、シリコーンゴム、ステンレス、PCT樹脂 |
メリット | ・豆の特徴をしっかり抽出 ・油分や雑味がなく、マイルドな味 ・味のブレが少ない ・浸漬式、透過式の2つの抽出が可能 |
ドリッパー部分は一般的なHARIO V60とほぼ同じサイズです。素材はガラスとゴムでできているので、重量感があります。
スイッチの最大の特徴は、その名前にもある通り「浸漬式(しんししき)」という方法でコーヒーが抽出できる点。
ドリッパーの底の部分にお湯の流れを留める弁が付いており、横についているスイッチを押すことで弁が開き、コーヒーがサーバーに落ちる構造になっています。
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[col2]▲スイッチを上げ、弁が閉じた状態[/col2][col2]▲スイッチを下げ、弁が開いた状態[/col2]
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もちろん、はじめから弁を開いておけば通常のペーパードリップと同じ「透過式」でコーヒーを淹れることも可能です。
スイッチがあれば2つの淹れ方を楽しめる、まさに1度で2度美味しい器具なのです。
コーヒーの抽出方法「透過式・浸漬式」について
コーヒーの抽出方法は大きく分けて2種類あり、1つはお湯をコーヒーの粉に注ぎながらコーヒーを抽出する「透過式」と呼ばれる方法です。通常のドリッパーを使って抽出するペーパードリップがこちらに該当します。
もう1つは、紅茶のようにコーヒーの粉をお湯に一定時間漬け込んで、コーヒーを抽出する「浸漬式」という方法です。こちらはフレンチプレスやサイフォンといった器具が該当します。
抽出方法 | 特徴 |
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透過式 (ペーパードリップ) |
粉にお湯を注いで抽出する方法
長所:粉がお湯に触れる時間が短いためクリーンかつ布のある味わいに 短所:注ぐスピード、注ぎ方などで味が顕著に変わるため安定した抽出が難しい |
浸漬式 (フレンチプレス・サイフォン) |
粉をお湯に漬け込んで抽出する方法
長所:お湯に一定時間漬けておくだけなので、比較的安定した味になる 短所:油分や雑味までもしっかりと抽出してしまうため豆の鮮度や品質が直に影響する |
それぞれの特徴を整理すると上記のようになります。どちらも長所があれば、短所もあります。
ではスイッチはどうなのか?というと、透過式・浸漬式のちょうど真ん中あたりに位置するドリッパーといえます。両者の長所を引き継ぎ、かつ短所を解決したハイブリット器具なのです。
具体的にどんなメリットがあるのか?について、以下で解説していきましょう。
浸漬式ドリッパー スイッチのメリット
豆の特徴をしっかり抽出
こちらは浸漬式の抽出方法のメリットといえます。
お湯と粉の触れる時間が長くなるので、透過式では抽出しきれないコーヒー豆の成分までを抽出することが可能です。
油分や雑味がなく、マイルドな味に
浸漬式は透過式では抽出できない豆の特徴をしっかりと抽出できる反面、豆そのものの品質が悪いと雑味やエグ味までも抽出してしまう欠点があります。品質の悪い豆を使うと、どうしてもまずいコーヒーになってしまいます。
その点、スイッチは「漬け込んでからペーパーフィルターでこし出して抽出する」ので、油分や雑味を除去したうえで抽出することが可能です。
そのため、少し古くなってしまった豆でも、スイッチで淹れるとエグ味が緩和されマイルドな味で飲むことができます。
味のブレが少ない
「お湯を注いで数分待つ→スイッチを押す」の簡単な工程だけで抽出できるので、毎回安定したコーヒーを淹れることができます。
抽出のテクニックや「慣れ」は全く必要ないので、ペーパードリップよりも味のブレが少なくなります。いつでも美味しいコーヒーが、簡単に淹れられます。
浸漬式ドリッパー スイッチでコーヒーを淹れる
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[col2]1. ペーパーフィルターとコーヒー豆(約15g)をセットします。
スイッチは忘れずに上げておきます。[/col2]
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[col2]2. お湯をいっぱいまで注ぎます。勢いよく注ぐことでドリッパー内で対流が起き、コーヒー粉1つ1つにお湯が接するようになります。
コーヒーの粉が浮いてしまう場合は、スプーンなどで軽く撹拌します。[/col2]
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[col2]3. 説明書によると、このまま2分間待って抽出をします。
新鮮な豆であれば、少し長めに4分程度待つ方がよりしっかりと味が抽出できます。
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[col2]4. スイッチを下げ、ドリップ完了です。マイルドな味わいのコーヒーに仕上がりました。
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[aside type=”boader”] ガラスのドリッパー部分は取り外し可能なので、普通のペーパードリップ用としても使えます。 [/aside]
まとめ
スイッチは浸漬式・透過式の両方の抽出方法でコーヒーを淹れられるだけでなく、スイッチだけにしか実現できない「浸漬式・透過式の中間」の淹れ方ができるドリッパーです。
また、ワンタッチで抽出方法の切り替えができるので、「蒸らしのときだけ浸漬式にする」などというような淹れ方もでき、抽出のバリエーションがグッと広がる可能性を秘めています。