
Barisieur 2.0(バリシーア)
Kibidango
Barisieur 2.0(バリシーア)

クラウドファンディングサイト・Kibidango(きびだんご)より、全自動コーヒーメーカーの「Barisieur2.0(バリシーア)」が登場しました。
「え、これでコーヒーメーカーなの?理科の実験道具じゃない?」というのが私の第一印象です。なにかこう、液体を蒸留させる専用器具のようなケミカルな雰囲気。心くすぐるデザインですね。
一見ではコーヒーメーカーとは思いますまい。
絶賛クラウドファンディング中ですが、今回ご厚意で一足先にお借りしたので、実際に使ってみた感想や使い勝手を、しっかりと細かくご紹介したいと思います。
アラーム機能つきコーヒーメーカー

この製品のコンセプトともいえる最大の特長は、目覚まし時計と全自動コーヒーメーカーが一体となっていること、つまり「朝、淹れたてコーヒーの香りと音で目覚め、最高の1杯を提供してくれる」という体験ができることです。
「朝が苦手で起きられない人でも、自然と起きたくなる理由ができる」と製品ページで紹介されていましたが、まさにその通り。アラームの音だけでなくコーヒーを淹れる音・香りでも起こされるので、五感をフルで刺激されて目覚めるなんとも不思議な体験ができます。これがまた最高に気持ちいい朝になる。
また朝のみならず、日中の仕事の切り替え時や、休日のタイミングなど、さまざまな使い方ができるのもよいポイントです。リモートワークのお供に、休憩のタイミングでコーヒーを淹れるように設定しておけば生産性も上がりそう。

サイズ・カラー

カラーは2色展開。北欧風な印象のブロンド/ホワイトと、シックな雰囲気のウォールナット/ブラックがあります。いずれも部屋をおしゃれにしてくれそうな素敵な雰囲気ですね。
フラスコやカップなどは、耐熱性の高いホウケイ酸ガラスが使われています。このホウケイ酸ガラスは、まさに実験器具でも使われている素材。強度は申し分なしです。
パーツ・機能

まずはパーツから見ていきたいと思います。
パーツひとつひとつのディテールが作りこまれていて、かつコーヒー好きにはたまらない、かゆいところに手が届くような機能がふんだんに盛り込まれている印象です。
本体


まずは基底となる本体部分。正面や側面にさまざまなボタンやダイヤルがついています。
後述しますが、アラームの有無・リセット/スヌーズの切り替え/アラーム後にドリップするタイミングなど事細かに調整をすることができます。
ここだけ見ると、まるで蓄音機みたい。英語や記号で記されたあしらいも相まって、レトロでかっこいいですね。

本体裏には電源ケーブルの挿入口、電源オンオフボタンと、USBポートがあります。
USBポートにはスマホなどの充電器をつなげられるので、寝室にこれ一台持っていけば充電問題も解決できるのもありがたいポイントです。
ドリッパー

ドリッパーは「ステンレスフィルター・浸漬式(しんししき)」のものが採用されています。ちょっと不思議な形。
下のゴム突起が抽出口をふさぐ形で、お湯がドリッパー内にしっかりと溜まるようになっています。

ステンレスフィルターは、紙のフィルターと比べて、濃厚でしっかりとした味わいのコーヒーを抽出できるのが大きな特長です。洗って再利用できるのでコスパも比較的高めです。
そして浸漬式というのは、紅茶を淹れるときのように、コーヒー粉を一定時間お湯に浸して抽出する方法のこと。サイフォンやフレンチプレスなどの器具がこの抽出方法に該当します。
粉にお湯を注いで抽出するドリップコーヒーは「透過式」と呼ばれる抽出方法に当たりますが、それに比べて浸漬式はしっかりとお湯に漬け込むため、安定した味のコーヒーが淹れられるメリットがあります。

ちなみに透過式のフィルターも付属しているので、好きな方で抽出することができます。いろいろ遊べて楽しい。
抽出機構

左側の三角フラスコのような部分の下にボイラー機能があり、水を入れてセットしてお湯を沸かせるようになっています。
起動してから2~3分ほどで沸騰するので、ボイラーの馬力もかなりしっかりしている印象です。

フラスコの上部に取り付けるパーツには、フラスコ内を密閉するゴム栓とガラス管、先端にはシャワーヘッドがついています。
抽出の仕組みとしては、いわゆる「サイフォンの原理」が使われているようです。その名の通りコーヒーサイフォンの抽出原理と同じですね。
細かい説明は割愛するとして、ざっくりとまとめると下記のような感じです。
抽出の仕組み
- お湯が沸くと、蒸気によってフラスコ内の気圧が高まる
- 気圧の低いガラス管の方に、お湯が吸い上げられる
- 先端のシャワーヘッドにお湯が運ばれて、コーヒーにお湯が注がれる
- ドリップが開始される
という形で、圧力の高低差を利用した方法で抽出する仕組みです。

見た目や仕組みからして、まさにサイフォンに近いイメージですね。


ちなみに、本体上の木製トレイは取り外しができて、抽出器具とともに持ち運びが可能になっています。
Barisieur 2.0を使ってみる
▲使用イメージをショート動画で紹介しています。
では、Barisieur 2.0を使ってコーヒーを抽出してみます。
時刻やアラームの設定方法、アラーム後にドリップするタイミングの調整など、本当に細かく設定することができます(手順については、以下をタップしてご確認ください)。
はじめは設定範囲の広さにやや驚きましたが、慣れてしまえば自分のスタイルに合わせたベストなパターンを見つけて設定できるので、かなりカスタマイズ性が高いです。
Barisieur 2.0はアラームと同時にドリップする方法のほかに、アラームを鳴らさずにすぐにドリップする方法があります。
今回はそちらを使って、さっそくコーヒーを淹れていきます。


まずはドリッパーにコーヒー粉をセットします。
本体の引き出し部分にコーヒー粉の収納トレイがついているので、ここに粉を入れておけばすぐに用意ができます。粉をすくうスクープも収納されているのがとてもうれしいポイント。
1回の抽出あたり、スクープ1~2杯分くらいのコーヒー粉が適量だそう。

次に三角フラスコ部分に水を入れます。常温でOK。MAXと書かれている線まで注ぎます。

ガラス管のついたゴム栓を三角フラスコにしっかりと押し込んで、シャワーヘッドはドリッパー内に向くように調整。

トレイ中央には、ミルク用の保管スペースがあります。ミルクを入れてカフェオレで飲むことの多い人は、ここにあらかじめミルクを用意しておくと◎。
なんとここの保管スペース、自動冷却機能がついていてミルクを2~3℃のフレッシュな状態に冷蔵保存してくれます。ミルクを検出すると自動的に冷却しはじめるというハイテクさ。
細かいところにも芸が行き届いています。素敵です。

準備が整ったら、本体正面のMAKEボタンを長押しして、ランプが赤く光ったら抽出が開始します。
あとは抽出が終わるまで待機。抽出の過程が実験みたいで最高に楽しいです!

2~3分でフラスコ内の水が沸騰し始めます。ゴボゴボと沸き立ってくる音もまたいい。


沸騰がピークになってくると、お湯がガラス管を上っていって、シャワーヘッドからドリッパーにシャーっと注がれていきます。
おぉ~、すごい!そして見てて楽しい!

しばらくするとフラスコのお湯がほぼすべてドリッパーに移動して、自動で停止します。全工程でだいたい5分くらい。
お湯の注ぎ入れが終了した状態は上記のような感じ。ドリッパー内でコーヒー粉が浸かっています。

最後に、飲む直前にフィルターのつまみを持って、上にクイッと引き上げるとコーヒーが抽出されます。

お湯を注ぐところまでは機械がやってくれて、最後の抽出は自分の手で。というのがまたいいポイント。
ん~、たまらないです。

抽出完了。
飲んだ味の感想は、さすがステンレスフィルターといったところ、濃厚でコクのある味になっています。
コーヒーのオイル感も感じられて、飲みごたえがあります。目覚めの1杯としては申し分ないコーヒーに仕上がりました。
沸騰したお湯を使うので、苦味がけっこう立つ感じを想像していたのですが、まったくそんなことはありませんでした。しっかりとバランスよい味が出ています。
おそらく浸漬式でマイルドに抽出されるのと、お湯がガラス管を通るタイミングで適度に冷やされて、ドリップに丁度よい温度になっているのがポイントなのかもしれません。これぞまさに設計の妙。

ちなみに、コーヒーを淹れた後のドリッパー内部はこんな感じ。

また、透過式タイプのステンレスフィルターを使ってコーヒーを淹れてみましたが、浸漬式に比べてやや薄い味に仕上がるといった印象がありました。
コーヒー粉にお湯が触れる時間が1分程度しかないので、透過式だと時間が短すぎてコーヒーの成分をやや抽出しきれないという可能性がありそうです。
挽き目や使う量を調整する必要はありそう。ただあっさりとしたコーヒーが好きな人は、こちらのドリッパーも使えると思います。
Barisieur 2.0のよいところ
- 五感で目覚めるという新体験
- 朝に丁度いいコーヒーの味
- 設定・機能の幅広さ
- なにより見ていて楽しいギミック
数回使ってみて、個人的に「ここいいな!」と思ったポイントは上記のようなところ。1つずつご紹介します。
五感で目覚めるという新体験

- 聞く :お湯が沸く音
- 見る :コーヒーが抽出される様子
- 香る :淹れたての香り
- 触る :スイッチやボタンの感触
- 味わう:コーヒーの味
アラームにプラスして、この5つの感覚で起こされます。これほんとにすごい。
目覚める瞬間から五感をフルに刺激される感じ、今までに味わったことのない体験です。毎朝コーヒーを飲む方にはたまらないのではないでしょうか。
時間のない朝はのんびりコーヒーを淹れていられないことも多いと思いますが、これなら目覚めると同時に、手の届くところでコーヒーが抽出されて、すぐに淹れたてのコーヒーが飲めます。
朝に丁度いいコーヒーの味
寝ぼけがちな朝は、キリっと体を起こしてくれるようなコーヒーが飲みたい。
Barisieur 2.0は先に説明した通り、ステンレスフィルター・浸漬式で淹れるので、ボディ感のあるしっかりとした味わいのコーヒーを抽出することができます。
またサイフォンと同じく、香り高いコーヒーを淹れられるというのもポイント。
もちろん前もって前日の夜に淹れておいて保温しておく…とかではなく正真正銘にその場で淹れるので、コーヒーの鮮度はもちろん高いです。朝から高品質のコーヒーを楽しみたい方に、とてもおすすめできます。
設定・機能の幅広さ

アラームの設定はもちろんのこと、音量の設定、ドリップの有無、アラーム後どれくらいのタイミングでドリップするかなどを細かく設定できるので、かなりカスタマイズ性が高いです。
朝の目覚まし代わりに使用するのはもちろんのこと、リモートワークの合間の休憩に自動でコーヒーを淹れるようにセットしておく…など日中のライフスタイルに合わせて使うこともできます。
そして「これでもか」というほどコーヒードリップに便利な機能が詰まっているのもよいですね。
コーヒー粉の収納トレイ、スクーパー、ミルク冷蔵庫、USBポート、取り外せるトレイ…と、かゆいところに手が届きすぎています。

そして何より、見ていて楽しい。これに尽きるのではないでしょうか。
フラスコ内で沸騰したお湯がガラス管を通って、コーヒーにお湯が注がれて…と、さながら実験のよう。理科の授業でフラスコとアルコールランプでなにかしらの実験をした、中学生の頃のあのワクワクした感覚が心をくすぐります笑。
これほんとに楽しい。ほんとのことだから何度も言います笑。

Barisieur 2.0(バリシーア)
Kibidango
Barisieur 2.0のちょっと気になるところ
- パーツが多いので洗うのがやや面倒
- 微粉が気になることも
- 価格はそこそこ
強いて挙げるとするならば、少し気になるところはこんな感じでしょうか。
ただ上述のメリットが大きすぎて、さほど気にならないレベルであることは間違いなしです。
パーツが多いため洗うのがやや面倒
実験器具、もとい抽出器具が細かく分かれているため、普通にドリップをした場合に比べてやや洗うパーツが多いというのはデメリットとして挙げられるかもしれません。
またフィルターがステンレス製なので、フィルターにコーヒー豆カスがこびりついてやや取りづらいということも。これはステンレスフィルターであればどんな製品にもあることなのでしょうがないことではありますが。
微粉が気になることも
微粉とは、コーヒーを飲み終える頃に見える、カップの底に沈んだ細かい粉のこと。
これはドリッパーの目を通り抜けてしまった細かい粒子が沈殿しているためで、飲んだときにザラっとした質感を感じさせることがあります。この舌触りが気になるという方も。
対処法としては以下の画像のように、粉をドリッパーにセットしてから20~30秒ほどゆすって、微粉をふるい落としてしまうことである程度は緩和することができます。
微粉セパレーターなど別の器具でも対処はできますが、これが一番簡単な方法だと思います。

価格はそこそこ
11月時点のクラウドファンディングページによると、定価で73,400円。
クラウドファンディングの早割特典で最大20%オフの価格で購入できますが、それでも5万円台とそこそこのお値段はしてしまいます。ちょっといい電動コーヒーミルが買えちゃうくらい。
ただこんな面白い体験ができる器具は今までにないですし、間違いなくこれからの末永いコーヒーライフを彩ってくれる存在にはなりますので、長期的に見れば金額にふさわしい価値はあるんじゃないかと思います。
まとめ

今回はお借りしてレビューさせていただきましたが、率直な感想として「ほしい!返却したくない…!」というのが気持ちでした笑。
朝、コーヒーの香りと目覚めるという最高の体験をさせてくれますし、なにより見た目・ギミックが心をくすぐります。
いつものコーヒーシーンをもっと素敵なものに変えてくれるコーヒー器具であるなと素直に思っています。
クラウドファンディングサイト「Kibidango(きびだんご)」で、12/8まで先行販売中です。気になっている方はお早めに。

Barisieur 2.0(バリシーア)
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