甘くほろ苦い味と、豪華な見た目が特徴的な「アイリッシュコーヒー」。コーヒーという名前がついていますが、実はカクテルの一種です。
この記事では、アイリッシュコーヒーの自宅でできる作り方やアレンジレシピなどを紹介しています。ぜひ参考にしてください。
アイリッシュコーヒーとは
アイリッシュコーヒーとは、アイリッシュウイスキーをベースにコーヒー・砂糖・生クリームを加えたカクテルを指します。
琥珀色のコーヒーに白い生クリームが乗った華やかな見た目に加え、ウイスキーの香りとコーヒーのコクがマッチした深い味わい、そしてそこにプラスされる砂糖と生クリームのまろやかな甘味が特徴的です。
ちなみに、スコッチウイスキーで作ると「ゲーリックコーヒー」、ブランデー(コニャック)で作ると「カフェロワイヤル」という名前のカクテルになります。
誕生の由来
アイリッシュコーヒーは訳すと「アイルランドのコーヒー」となり、その名の通りアイルランドで生まれた飲み物です。
アメリカーイギリス間を結ぶ飛行機が飛び始めた1935年頃、途中で大西洋を横断する行路の途中にあったアイルランドは、燃料補給のために多くの飛行機が寄港していました。
当時の飛行機は暖房があまり効かず、寒さの中での航行でした。さらにアイルランドはとても寒い国であるため、乗客は寄港してからも震えながら燃料補給を待っていたのだそうです。
この状況を見た飛行場にあるパブのシェフが、温かいコーヒーにアイルランド名物のアイリッシュウイスキーを加えた飲み物を乗客に提供したことが発祥だとされています。
アイリッシュコーヒーのおいしい飲み方
アイリッシュコーヒーには生クリームが乗っており、カフェなどではマドラーが添えられて提供されることがありますが、まずは混ぜずにそのまま飲んでみてください。
混ぜずに飲むことでクリームの冷たさと甘味、コーヒーとウイスキーの温かさと苦味が順番に口の中へ入り込んできます。
冷たさの中に温かさが、甘味の中に苦味がやってきてそれぞれが混ざり合っていく感覚を楽しむのがアイリッシュコーヒーの醍醐味であり、おいしく飲むポイントです。
アイリッシュコーヒーの作り方・下準備
材料(1人分)
材料名 | 分量の目安 |
---|---|
生クリーム | 20cc |
コーヒー | 120cc |
アイリッシュウイスキー | 30cc(1オンス) |
砂糖 | 適量 |
ホイップクリームや砂糖の甘味との対比を楽しめるよう、コーヒー豆の種類は「苦味が強めなもの」、挽き方は苦味の強めな「深煎り~極深煎り」がおすすめです。
インスタントコーヒーを使う場合も、同じく苦味がしっかりと出るものが適していますよ。
アイリッシュウイスキーはピート香と呼ばれるスモーキーさがなく、滑らかな味わいが特徴的です。
用意するもの
- グラスまたはカップ
- スプーン
- (コーヒードリッパー)
- (コーヒーフィルター)など
アイリッシュコーヒーは通常のカップで作っても全く問題ありませんが、中身が見えるような耐熱グラスを使うとよりおしゃれな見た目になります。アイリッシュコーヒー用のグラスも販売されています。
かき混ぜる用のスプーンと、ハンドドリップでコーヒーを淹れる場合はコーヒードリッパー・フィルターなどを用意してください。
アイリッシュコーヒーの作り方・手順
グラスに砂糖を入れ、コーヒーを注ぐ
用意したグラスに砂糖を入れ、その上にコーヒーを注いだら、スプーンでよくかき混ぜて砂糖を溶かします。
ポイントは、少し多めに砂糖を入れること。味を整えるだけでなく、あとの作業で生クリームを確実に浮かせるために、液体の比重を重くしておく意味があります。
アイリッシュウイスキーを加える
次にアイリッシュウイスキーを加え、全体をスプーンで軽く混ぜ合わせます。
アイリッシュウイスキーが冷たいと、混ぜ合わせたときにコーヒー全体の温度が下がってぬるくなってしまう場合があります。
熱々で楽しみたい方は、ウイスキーを加えた後に電子レンジで軽く加熱するといいですよ。
生クリームを浮かべる
最後に、コーヒーの液面に生クリームを浮かべて完成です。
ふわふわにホイップしたクリームを乗せてもいいのですが、より忠実に再現したい場合はホイップせずに使うか、どろっと流れる程度の固さにホイップするのがおすすめです。
この作業、うまくコーヒーの上に浮かんでくれず中途半端に混ざってしまうことが多く、なかなか難しいです。
そんなときは、上の画像のようにコーヒーの液面にスプーンを軽く触れさせ、そのスプーンに向かってゆっくりと生クリームを注ぐようにするとうまくいくかもしれません。
アイリッシュコーヒーのアレンジレシピ
アイスアイリッシュコーヒー
寒い国で生まれたこの飲み方は基本的にホットで作られることが多いですが、暑い季節などは冷たいアイリッシュコーヒーにしてみるのもいいですね。
作り方は上記の手順とほぼ同じで、ホットコーヒーの代わりにアイスコーヒーを使えば簡単に作ることができます。
水出しのアイスコーヒーで作れば、苦味の角が取れたまろやかな味わいに作ることができますよ。
ウイスキーをフランベする
見た目の豪華さをさらに演出するアレンジのひとつとして、ウイスキーをコーヒーに注ぐ前に火をつけてフランベする方法があります。
ウイスキーを温めてから火を近づけると、ウイスキーに含まれるアルコール分に引火します。
フランベすることでアルコールが飛んで飲みやすくなるほか、ウイスキーの香りがより際立つようになります。
注意
アルコールは一気に引火するので、やけどや燃え移りには十分注意してください。
トッピングする
生クリームの上にお好みでトッピングをして、香りや味わいをプラスするアレンジ方法です。
ウイスキーの香りをさらに引き立たせるならシナモンやナツメグなどの香辛料、飲みやすくアレンジするならカカオパウダーやチョコレートソース、キャラメルソースなどがおすすめです。
お店で頼むと火がついて出てくることも
カフェやレストランでアイリッシュコーヒーを注文すると、液面に火がついた状態で出てくることがあります。
これは「フランベ」といい、アルコール分を飛ばすことでまろやかな口当たりにしたり、ウイスキーの香りをより際立たせたりする調理法です。
火がついたまま飲むのはやけどの危険があるので、必ず火が消えるまで待ってから飲んでくださいね。