「ファウンテンコーヒーメーカー(Fountain Coffee Maker)」は、
ファウンテン、つまり噴水のようにドリップする新感覚のコーヒーメーカー。
日本販売元のコンエアージャパンさんのご厚意により、製品をご提供いただきましたので、使用感やいいところ悪いところを正直にレビューしました。
結論として、ハンドドリップや他のコーヒーメーカーとはまた違う原理で淹れるコーヒーは、すっきりクリアでこの製品ならではの味わいといった感じ。雑味がなくておいしいんです。
ホットもコールドブリューも対応、コールドブリューに関しては最短30分で抽出できちゃうのも、使い勝手がいいポイントです。
ファウンテン コーヒーメーカー FCC-1KJ
まるで噴水のようなドリップを実現。
Cuisinart 公式サイトより
新感覚コーヒーメーカー
噴水のようなドリップとはどういうことなのか!?
スピンシステムという、まるで「噴水のように」お湯を下から上へと循環させて抽出する仕組みなのだそう。
百聞は一見に如かず。実際の抽出の様子は以下のような感じです(音が流れます)。
内部でお湯が上に押し上げられる→コーヒー粉に噴水(シャワー?)のように注がれる→またお湯が押し上げられる…の繰り返しで抽出されていることがわかります。すご!
ドリップしたコーヒーを更に循環させて、ドリップを繰り返すことでコーヒー淹れているのがユニークな点ですね。
今までにない抽出方法、まさに新感覚のコーヒーメーカー。どんな味がするのだろうかワクワク。
その前に、もう少しスペックを見ていきましょう。
サイズ・重量
- サイズ: 幅 140mm x 奥行210mm x 高さ260mm
- 重さ: 1.4kg
- 容量: 1L(湯沸かし時)、720ml(コーヒー抽出時)
サイズは、2リットルのペットボトルの高さをちょっと小さく、横幅を一回り大きくした感じです。
ガラス製なので、一般的なケトルよりも少し重めな印象。
一度に720ml(コーヒー3杯分)を抽出できる容量です。お湯を沸かすケトル機能として使うならば、1Lまで対応可能。
ステンレスメッシュフィルターを使用
抽出に用いるフィルターはステンレスメッシュ製。
豆のオイルまで抽出できるので、しっかりとコク深い味のコーヒーになるのがペーパードリップとは違うポイント。
ペーパー不要で洗えば繰り返し利用できるので、環境にも優しい。
抽出してみた
コーヒー粉の量・水の量について
種類 | 杯数 (水の量) | 粉の量 | 時間 |
---|---|---|---|
ホットコーヒー | 3杯分 (約360ml) | 20g | 3分 |
水出しコーヒー | 4杯分 (約480ml) | 30g | 30分 |
説明書によると、上記の分量・時間をベースに、杯数を多く抽出したい場合はお好みで粉の量を増やせばよいとのこと。
また、抽出時間を長くすればよりリッチな深みになり、短いと軽やかで香りが立つ味わいになるそうです。好みやコーヒー豆に合わせて、いろいろレシピのカスタマイズができそうですね。
では早速、ホットコーヒーを抽出してみたいと思います。
抽出
ふたとフィルターをを取り外して、ガラスポットの中央に黒い三角コーンのようなパーツ・スピンシステムを取り付けます。
磁石がついているので、ピタッと固定されます。
回は説明書通り、「3杯分の抽出(水360ml、コーヒー粉20g)」でやってみたいと思います。
ガラスポットの横に杯数の目盛りがついているので、わざわざ水の量を計らなくても大丈夫。ありがたい。
コーヒー粉20gをフィルターに入れて、フィルターをしっかりとねじ込んで取り付ける。
ここの取り付けが甘いと抽出ができないことがあるので、カチッとはまるまでしっかりと。
電源プレートに載せるとディスプレイが表示されるので、左のボタンで「抽出温度」、真ん中のボタンで「抽出時間」を設定。
ちなみに右のボタンは「保温機能」で、30分間飲み頃の温度で保温ができます。
スタートボタンを押して、抽出開始。
だんだんとお湯が沸いてきます。お湯の温度はディスプレイに常時表示されます。
お湯が指定温度まで沸いた段階で抽出タイマーがスタートして、一定間隔でお湯が循環し始めます。
抽出が繰り返されていく過程で、徐々にコーヒーの色が濃くなっていくのが見ていておもしろいです。
循環するタイミングで「ウィーン」という駆動音がしますが、さほど大きくないので気にならないレベル。
気になる味は…
とてもクリア。驚くほどクリア。
雑味のないコーヒーって感じでとてもおいしいです。
お湯をぐるぐる回すので、結構渋みのある味になるのかなと思っていましたが、ネガティブな要素はまったく出ていないです。
コーヒーオイルも抽出されていて、コクもしっかりと感じられます。
同じステンレスフィルターを使って淹れるコーヒーともまた違って、こっちの方がトガった印象はなく、とても優しい味わいなんです。個人的には、こちらの方が好き。
ハンドドリップや他のコーヒーメーカーとはまた違う、ファウンテンならではの味です。すごくおいしい!
いいところ
1台3役。ホットも水出しもできて、お湯も沸かせちゃう
ホットコーヒーだけじゃなく、水出しコーヒー(コールドブリュー)も淹れられる多機能なところがイイなと思いました。
それに水出しコーヒーを淹れるとなると、4~8時間くらいかかりますが、ファウンテンコーヒーメーカーはたったの30分で抽出できます。味ももちろん、時間をたっぷりかけて抽出するものと遜色ないレベル。
思い立ったらすぐに飲めないのが水出しコーヒーの困るところですが、これなら30分待てばすぐに飲めるので、すごくありがたいです。
コーヒーフィルターを設置しなければお湯だけでも沸かせるので、普段の電気ケトルの代わりにも使えちゃいます。ちなみにお茶や紅茶も淹れられる。
味が安定する・好みに調節しやすい
時間と温度を決めて、あとは機械におまかせしておけば、いつも安定したコーヒーに仕上げてくれるのもポイント。
毎日ハンドドリップしている私でも、なんかたまに「失敗しちゃったなー」ということがあるんですが、これは毎回同じ味わいに仕上げてくれるのですごく優秀。
これはアリです。
「苦味がちょっと物足りなかったら、抽出時間をプラス1分」
「もっとクリアですっきりがよかったら、マイナス1分」
気分でコーヒーの味を調節するのって、ハンドドリップだとけっこう難しいですが、深く考えずに抽出時間だけ変えれば、あとはおいしく淹れてくれるので、かなりいいなと思っています。
1回で最大6杯分まで淹れられる
1度に720mlの抽出ができる大容量。120mlのコーヒーカップで6杯分、240mlのマグカップで3杯分くらい。
ハンドドリップでこの分量を淹れるのって、専用の大きめのドリッパーとかを用意しないとならないですが、これがあれば問題なし。
家族でコーヒーを飲む朝なんかは、かなり重宝しそうですね。
ちょっと気になるところ
フィルターが洗いにくい
デメリットというデメリットはほとんどないですが、強いて言えば…、フィルターのお手入れがしづらいのが気になりました。
ステンレスメッシュフィルターの片づけがしづらいのは、「そういうもの」なのでデメリットには挙げません。
ただ、この中央からフチに3つ伸びている支柱のようなものが、フィルターを洗うときに絶妙に邪魔になるんですよね…
スポンジでしっかり洗いたいけど、手が引っかかって奥まで届かんのですよね…
なんとか洗えないことはないですが、この支柱がなければもっと快適に洗えるのに、と思いました。
2杯以下の少量抽出には不向きかも
抽出の最低水量が360ml(3杯分)からなので、ちょっと1杯だけ飲みたい場合は不向きかなという感じです。
ただマグカップ換算で約2杯分だし、30分の保温機能があるので、飲み切れるよって方にはさほど大きなデメリットにはならないかなと思います。
水出しならたくさん作って、冷蔵庫で保管しておいてもいいですしね。
まとめ
ホット・水出し・ケトル機能もついて1台3役。
使う前は、よくあるコーヒーメーカーと違いがあるのか不明でしたが、使ってみると「コーヒーでコーヒーを抽出する」オリジナルな仕組みで、このファウンテンならではのコーヒーになります。ハンドドリップやほかの機械ではきっと出せないだろうな。
もちろん、コーヒーもすっきりクリアでとてもおいしい。
価格は12,000 – 13,000円台と、そこそこしますが、個人的にかなり価値の高い製品であるなと感じています。これからも愛用していきたいなと思います。