インドの飲み物といえばチャイやラッシーが浮かびますが、実はコーヒーの歴史も古くからあり、生産量も常に上位を誇る国です。
この記事では、インドコーヒーについて、歴史に触れながらその特徴や味わいについても紹介しています。
アジアのコーヒー生産地
インドのコーヒーとは

インド(正式名称:インド共和国)は南アジアに位置し、その面積は約329万㎢と世界で7番目の大きさを誇る国です。
かつてインダス文明が栄えたこの国は、その歴史も古く魅力に溢れています。世界遺産タージ・マハルやインドカレーで有名な国です。
コーヒー豆の生産量は319,500トンで、世界第8位※。
アジアに絞ってみると、ベトナム・インドネシアに次ぐ3番目の生産量を誇り、コーヒー生産大国の1つとして知られています。
※世界のコーヒー豆 生産量 国別ランキング・推移(2019年)
インドのコーヒーの特徴

品種・栽培・精製方法
品種:
コーヒー豆は大きくアラビカ種とロブスタ種の2種類に分けられます。
生産国によってはどちらかのみ栽培されていることが多くありますが、インドでは両方の品種が栽培されています。
栽培面積でいうと同じくらいですが、生産量でいうとロブスタ種の方がアラビカ種より2倍以上多いようです。一般にアラビカ種の方が栽培は難しく品質は高いといわれています。
アラビカ種の中でも、
- ケント
- カティモア
- S795
という、コーヒー豆の病気に比較的強い品種が育てられています。
栽培:
インドの中央から南部はコーヒー栽培に適したコーヒーベルトの地帯に位置します。特に南部でコーヒー豆が生産盛んに行われています。
シェードツリーという、日陰の代わりとなる木を一緒に植えることで強い太陽光からコーヒー豆を守り、できるだけ化学肥料を使わない栽培がなされています。
精製方法:
インドでは主にウォッシュトとナチュラルという精製方法がとられています。
ウォッシュトだとすっきりとした味わいに、ナチュラルだと果物が発酵したような甘い香りが特徴として現れます。
これらとは別にインド独自のモンスーン・プロセスという独自の精製方法も使われています。
6~9月に吹くアラビア海からの湿気を含んだモンスーン(偏西風)にコーヒー豆をさらし、コーヒー豆に水分を含またあとに再び乾燥させる方法です。
こうすることによって、インドのコーヒーならではの黄金色で風味豊かな生豆ができあがります。
等級・グレード
インドコーヒーの等級のつけ方は複雑です。精製方法やスクリーンサイズ(豆の大きさ)、湿度をもとに細分化されています。
まず、精製方法に基づき以下の2つに分けられます。
- プランテーション
…ウォッシュトで精製されたアラビカ種のコーヒー豆 - アラビカチェリー
…ナチュラルで精製されたアラビカ種のコーヒー豆
この後、コーヒー豆の重さや大きさ、栽培標高などに応じてPB、A、B、Cとわかれます。
日本に輸出されるインドコーヒーはほとんどがモンスーン・プロセスの高品質な銘柄になります。
インドのコーヒーが栽培されている主なエリア
インドコーヒーは主に南部で生産されており、以下の生産地が有名です。
- カルターナカ州
- ケーララ州
- タミル・ナードゥ州
中でもカルターナカ州のコーヒー豆生産量はインド全体の約70%を、ケーララ州が約20%を占めます。
インドのコーヒーの歴史

インドにおけるコーヒーの歴史は古く、1600年代にイスラム教聖者のババ・ブダンという人物が、当時持ち出し厳禁とされていたコーヒー豆をインドに持ち帰ったことが始まりだとされています。
マイソールという地区に持ち込み、コーヒー豆を植え、そこで栽培が始まりました。現在そこには記念碑が建てられています。
その後、全国的にコーヒー豆の大敵であるさび病が流行り、生産量が落ちてしまいますが、その件があったことでコーヒー豆の品種改良が進みます。
その後コーヒー委員会が発足されるなど、政府の後押しもあり生産量は年々上がってきています。
輸出も伸びていますが、主にヨーロッパの市場が多く、日本への輸出は約50番目と少ないのが現状です。
インドのコーヒーの味や香り

インドコーヒーは風味が強く、酸味と苦みのバランスがよく飲みやすいといわれています。
まろやかな口当たりでコーヒー初心者の方にもおすすめです。
一方、モンスーンコーヒーは独特な精製方法から強烈な風味と苦みがあり、コアなファンがいるようです。
インドのコーヒーのおすすめの焙煎・飲み方
インドのコーヒーは風味豊かな特徴があるので、まずはブラックでその香りを楽しむのがおすすめです。
伝統的な飲み方:インディアンコーヒー

インドで親しまれる伝統的な飲み方があるので2つ紹介します。
ひとつめはインディアンコーヒーです。
インディアンコーヒーは少量のコーヒーにミルクと砂糖を入れて泡立てたものです。
2つのカップを使い交互に移し替える作業を繰り返すことで、ほどよい温度のふわふわコーヒーができあがります。

伝統的な飲み方:マサラコーヒー

もうひとつがマサラコーヒーと呼ばれるものです。
チャイに似たような味わいが特徴で、コーヒーにシナモンやナツメグといったスパイスを加えた飲み物です。
インドのコーヒーを試してみる
ばいせん工房 珈琲倶楽部 インドモンスーン

強い苦味とアラビカ種の独特な香味が特徴のコーヒー豆「インド・モンスーン」です。
挽き方・焙煎度を選んで注文することができ、焙煎度は「シナモン(浅煎り)、ミディアム(中煎り)、ハイ(やや中深煎り)、シティー(中深煎り)、フルシティー(やや深煎り)」から選べます。
まずはバランスの取れた「ミディアム(中煎り)」がおすすめです。ここから好みに合わせて焙煎度を調節していくとより楽しめると思います。
豆の挽き方 (選択可) | 中細引き、標準挽き、中粗挽き、粗挽き、豆 |
---|---|
内容量 | 400g |
自家焙煎珈琲やすらぎ 極上珈琲豆 【受注後焙煎】

独特の香りと風味が楽しめる、フレンチロースト モンスーンコーヒー。
フレンチロースト(深煎り)に仕上げることで香りと苦味を存分に引き出し、濃厚でありながらスッキリとした味わいを楽しめるコーヒー豆です。
豆の挽き方 (選択可) | 細挽き、中挽き、豆 |
---|---|
内容量 | 400g |
まとめ

インドのコーヒー豆は万人受けの飲みやすい味わいで、特にモンスーン方式のコーヒー豆は強烈な風味と苦味が特徴です。
インドでは一般に、南インドの人々はコーヒー好きだといわれているようです。
ババ・ブダンが決死の覚悟でインドに持ち帰ったコーヒー豆。そんなインドのコーヒー豆をぜひ味わってみてください。
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