苦味の強い銘柄で知られている「マンデリン」。ただ苦いだけではなく、その奥には複雑な味わいと香りが感じられます。
マンデリンの特徴やおすすめの焙煎度合い、飲み方について紹介します。
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マンデリンとは
マンデリンは、インドネシアのスマトラ島で栽培されているアラビカ種のコーヒー豆の銘柄です。スマトラ島のマンデリン族が栽培を始めたことから、この名前が付けられたといわれています。
インドネシアは世界第4位のコーヒー生産大国ですが、栽培されているコーヒー豆の約90%がロブスタ種。
数少ないアラビカ種の中でも、マンデリンは全体のたった数%しか栽培されておらず、非常に希少価値が高くなっています。
インドネシアではスマトラ島のマンデリンのほかにも、ジャワ島のジャワコーヒーやスラウェシ島のトラジャコーヒーなど世界的に有名な銘柄が栽培されています。
マンデリンの特徴

品種
上記の通り、マンデリンはアラビカ種に該当するコーヒー豆です。インドネシアで栽培されている品種のほとんどはロブスタ種なので、希少性が高いのが特徴です。
精製方法
マンデリンは、「スマトラ式(セミウォッシュド)」と呼ばれる伝統的な方法で加工されています。水洗式(ウォッシュド)と乾燥式(ナチュラル)の中間のような精製方法です。
まず、コーヒーチェリーの皮をむき果肉を除去します。水洗式ならば、タネの周りについている粘液質(ミューシレージ)を取り除いて乾燥させますが、スマトラ式はミューシレージが残った状態のまま一旦乾燥させます。
表面が軽く乾燥してきたら、コーヒー豆を覆う殻や薄皮を取り、その後完全に乾燥させます。こうすることで、乾燥させる時間を最短にしています。
雨の多いインドネシアでは、通常の精製方法では乾燥しきる前に雨が降ってきてしまい、乾燥が終わらないというデメリットがあります。そこで考案されたのが、このスマトラ式です。
等級・グレード
マンデリンは、インドネシアにおけるコーヒーの格付け基準によって等級が決定されます。
300g中に含まれる欠点豆の数が0~3個ならば、最高級である「G1(グレードワン)」に格付けされます。次いで「G2」「G3」「G4」「G5」と、欠点豆の数が多くなるにつれて等級が落ちていきます。
また、スマトラ島北部のアチェ地区とタケンゴン地区、さらに標高1400~1900mの高原地帯で栽培されたマンデリンにのみ「スーパーグレード」という等級が与えられます。
スーパーグレードは最高級品質であり、かつ産出地域と農園が特定できるため、マンデリンの中でも特別に高い評価を受けています。
地域によりブランドが確立
マンデリンは、栽培されている地域によってはブランド名がつけられ差別化がなされています。
トバ湖周辺で栽培された「マンデリン・トバコ」、リントンニフタ村およびパランギナンで栽培された「マンデリン・ビンタン・リマ」などがあります。
マンデリンの名前と歴史
マンデリンという名前は、スマトラ島のマンデリン族が主体となって栽培を行っていたことに由来するといわれています。
インドネシアにおけるコーヒー栽培の始まりは、17世紀末のオランダ領地時代にさかのぼります。当時オランダ軍がアラビカ種をジャワ島に持ち込んだことをきっかけに、インドネシア全土に広まっていったとされます。
その後1908年に「さび病」の流行によって、アラビカ種を育てていた農園は大打撃を受けてしまいます。病気に強いロブスタ種に置き換わっていく中、辛うじて病害に耐えたアラビカ種が、現在のマンデリンにつながっています。
マンデリンの味や香り

マンデリンは酸味が控えめで苦味が強く、飲みごたえのある深いコクがあるのが特徴的です。
一口飲めばハーブやシナモンと例えられるマンデリン独特の風味と、ミルキーな舌触りが感じられます。
一般的に深煎りで淹れるとコーヒー豆の個性が失われてしまい、どの豆も似たような味になってしまいがちですが、マンデリンは深煎りしても独特な味や香りはしっかりと維持されます。
マンデリンにおすすめの焙煎・飲み方

ブラックで
マンデリンは、日本ではシティロースト~フレンチローストといった深煎りにして飲むのが好まれています。強い苦みと深いコクといった複雑な魅力を最大限引き出せる焙煎度合いで、酸味はほとんど感じられません。
一方でミディアムローストやハイローストあたりの少し浅めに煎るのもおすすめです。こちらは深煎りの場合とまったく異なり、苦味やコクは抑えられ、果実を思わせる酸味がはっきりと感じられます。
カフェオレ・カフェラテで
マンデリンの苦味とコクは、ミルクとの相性が抜群です。
カフェオレやカフェラテにして飲めば、苦味と甘味の絶妙なバランスがなんともいえない味わいを生み出します。
水出しで
お湯ではなく水からじっくりと抽出する「水出しアイスコーヒー」も、マンデリンとの相性がとてもよいです。
お湯で淹れてから冷やして作るよりも、味の角が取れてまろやかな味わいになります。
優しい口当たりで、マンデリンならではの濃厚で芳醇な味わいを楽しむことができます。特に夏場はおすすめできる飲み方です。

マンデリンを試してみる【スペシャルティコーヒー】
マンデリン
ガツンとくる苦味、飲みごたえが抜群
力強い苦味とガツンとくる深いコクが特徴的。トラジャとは異なり、香りはハーブやシナモンなどと例えられる独特のものです。飲みごたえのあるアイスコーヒーを作りたい方におすすめです。
酸味がほとんどない銘柄というイメージがあるかもしれませんが、浅く煎れば果物のような酸味を感じることができます。
でもアイスコーヒー用にするなら、やっぱろ深煎りでマンデリンならではの苦味とコクを楽しむのがよいですね。
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ケーキのお供にも

マンデリンは、ケーキやフルーツなどの甘い食べ物の取り合わせとしても向いています。食べ物の甘味とコーヒーの苦味がとてもよく合い、食後の甘ったるさの解消にも一役買ってくれることでしょう。
飲みごたえが強く少々クセのあるコーヒー豆ですが、苦いコーヒーが好きな方にはぜひ試していただきたい銘柄です。
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